2019/10/5 日本代表vsサモア代表戦→元日本代表選手の評価・解説

日本vsサモア

日本vサモア→元日本代表選手の評価・解説

坂田正彰(日本代表33cap)結束力が最後のプレーに

最後のトライは、5点以上の価値のあるものだった。それにつながったのはスクラム。何とかターンオーバーしようとFWが仕掛け、松島がトライを奪った。

今の日本代表の信頼関係、結束力が最後のプレーに出たように感じた。最後まで、選手たちは、ボーナスポイントを取れると信じていた。

その前の全員モールで押し込んだシーンも、トライを取れると思ったバックスが加わっており、「FWはFW、バックスはバックス」という考え方ではなく、その時にどうすればいいか、選手たちが常に考えているからこその攻撃だった。

多くの人が「きょうは勝つ」と信じていたと思う。そういう状況で、これまでだと選手たちは「勝たなければならない」という気持ちになり、プレッシャーに押しつぶされるケースもあったが、今の代表は、それをパワーにつなげている。

後半32分にトライを奪われ、従来だったら、気持ちが切れてしまっていたのが、リセットして、点を取りにいくように、一戦一戦、メンタリティーが上がっているように見える。これまで出場していなかった選手も交代で出て、ジェイミーの「全員でやるんだ」という意思表示も感じた。

しかし、トライを取られた場面は、戦うエリアを考えないといけない。次はスコットランドと対戦するが、強豪国と戦う時には、細心の注意が必要だ。(スポーツ報知

砂村光信(元U23日本代表監督)ベテラン2人が流れを引き寄せた

途中まで競り合う展開で、ベテラン2人の巧みな判断力が流れを引き寄せた。後半最初のモールでのトライを演出したのはSO田村の視野の広さだ。直前のプレーで足がつっていた相手WTBの裏を狙うキック。

WTBはボールを確保するのが精いっぱいでタッチへ出てしまい、ゴール前で日本のラインアウトになった。

また、SH田中は途中出場した直後の相手ボールのラックで、勢いよく飛び出して相手SHをつぶした。ボールが出てから反応しても届く距離ではない。ベンチにいる時からSHのクセを見ていたと思われる。

今大会の日本はスクラムもラインアウトも非常に安定している。ただ、キックオフのディフェンスだけは安定していない。

この試合で相手に深く蹴られたボールをキャッチしていたのはWTBのレメキ。体が強く前へ行けるからだろうが、ボールを落とすなど同じWTBの福岡に比べプレーが安定していない。スコットランド戦以降へ修正が必要だろう。

ラストプレーで日本が4トライ目を取れたのは、サモアが7点差以内の負けを狙って果敢に攻めた結果だ。W杯ならではのケースではあるが、最後まで諦めずに戦ったサモアに敬意を表したい。(スポニチ

畠山健介(日本代表78cap)スコットランド戦はやってきたことを信じればいい

日本代表は「運」も味方につけた。ボーナスポイントを取らない限り1次リーグ敗退が決まってしまうサモアが、最後に自陣でスクラムを選択したことが、逆に日本のボーナスポイント獲得というストーリーを生んだ。

W杯で歴史を作るためには「運」は絶対に必要だ。4トライを挙げたのは実力だが、そこにいたるまでの流れには必ず運的な要素もある。ただし地力がなければ、運をつかむチャンスもめぐってこない。

言うなれば、コインの表と裏のようなもの。この試合は、その表と裏がうまくかみ合った。

今大会では、地元・愛知でトライ、ジャッカル(タックルで倒れた相手からのボール奪取)など目を見張る活躍をした姫野や、坂手、松田ら若手が台頭している。一方で若手を支えているのは、リーチや田中のような経験値の高い選手たちだ。

前回大会では若手だった稲垣や松島らも、パフォーマンスを上げている。ここでもコインの表と裏のように、ベテランと若手が織りなすことで、チームの地力が上がっていると感じる。

また松島、福岡、レメキのウィング3人は、相手にとって脅威の得点源となっている。松島は、トータルでバランスが良くてステップもキレがある。福岡には、圧倒的なスピードがある。

レメキはフィジカルが強く、ボディーバランスとパワーに優れている。3人それぞれに特徴が違う。誰にボールを渡しても、トライにつなげてくれる頼もしいウィング陣だ。

そんな中でも、私が選ぶマン・オブ・ザ・マッチ(最優秀選手)は田村だ。これまで2試合はキックの不調を感じていたが、今日は落ち着いてプレーしていた。スペースに対し、いいキックでパスできていた。

本来の彼に近いプレーだった。ウィングでトライが取れているのは、結局は外にスペースができているということ。それを演出したのは、FW陣とスペースにしっかりボールを運べた田村。この試合では田村が一番光っていた。

スコットランド戦に向けて、修正点は特にない。今のまま、自分たちがやってきたことを信じればいい。(スポーツ報知

沢木敬介(日本代表7cap)大きな意味を持つ松島のトライ

サモアからプレゼントされたような松島のトライだったが、A組の行方を占う上では大きな意味を持つ得点となった。スコットランドファンは、サモアの選択に怒ったはず。

日本が勝ち点を14に伸ばした影響は、日本以上にスコットランドにとって大きいからだ。

日本に勝ち点差9を付けられたスコットランドは、9日のロシア戦でボーナス勝ち点付きの勝利が必要になった。勝つだけでよければ主力を休ませることもできたが、ある程度しっかりしたメンバーで戦わなければならない。

しかも、中3日で日本戦が控える。松島のトライが、スコットランドを後のない状態まで追い詰めたと言っていい。

日本はスコットランドに勝てば1位通過が決まる。敗れても、ボーナス勝ち点を奪えば1位か2位で通過の可能性がある。勝ち点を考えながら試合をすることは重要だが、まずは自分たちの強みを出して戦うことを考えたい。

早いテンポでアタックを仕掛ければ、スローテンポの試合をしたいスコットランドは間違いなく嫌がる。相手は立ち上がりに失点が多い。序盤から仕掛けていくことが勝利、さらに敗れたとしてもボーナス勝ち点の獲得につながる。(日刊スポーツ

今泉清(日本代表8cap)田中が入り日本はリズムに乗った

4つ目のトライを決めた松島は素晴らしかったが、その前の田中のパスがよかった。相手ボールを奪っての連続攻撃。ラックから出たボールを、ダイレクトで通した。背後から斜めに走る松島に対し、絶妙なタイミング。

トップスピードだったトライゲッターは、そのままインゴールに飛び込めばよかった。タイミングと場所と、少しでもずれたらトライはなかった。絶妙のパスを通した田中の判断と技術。7、8割は田中のトライと言ってもいい。

田中が入ってから、日本の攻撃はリズムに乗った。相手のプレッシャーを受けながらもテンポを崩さずにボールを散らした。終了間際で攻撃のテンポを上げられたからこそ、4トライ目が生まれたのだ。

日本にとって、田中のような選手がいるのは貴重。今後の試合でも、流れを変える重要な役割を担うのは間違いない。(日刊スポーツ

伊藤鐘史(日本代表36cap)

ファンにとっては一番見たかったパターンになりました。スコットランド戦に向け、4トライ目を奪いボーナス点も獲得できましたから。ただ、70分ぐらいまではどちらに転んでもおかしくない展開でした。

前半競ったのはアイルランド戦に比べてミスやペナルティーが多かったからです。サモアはベストパフォーマンスでしたし、プレッシャーも受けました。しっかり勝ったジャパンをたたえたいです。

姫野がボールキャリーとジャッカルで強みを発揮しました。ゲームキャプテンのラブスカフニは安定していたし、坂手は前半だけでしたがセットプレーも良くて合格点です。

ただ、1つだけ課題があります。後半、最初のPGを狙った場面です。相手のペナルティーから、ラブスカフニはタッチラインを指さしていましたが、田村はどうしよう?という感じでした。雰囲気でPGを狙い、結果として外れました。

チームとしてこの辺りにブレがありました。位置的にも難しいところでしたが、嫌な流れだなと。ここから出た姫野のジャッカルで立て直せましたが、ゲームキャプテンに任せるなら任せるで統一した方がいいです。そういう場面は相手は見逃しません。

次に向けてもう一度、基礎と基本を徹底すること。流れはきているし、決勝トーナメントへ行く力は持っています。(デイリー)

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