リード、ホワイトロック、クロティ、スクワイアが日本へ
2020年1月に始まるトップリーグ(2019年度)に向けて、例年以上に大型補強が目立っている。
現役のNZ代表からはキアラン・リード(トヨタ)、サム・ホワイトロック(パナ)、ライアン・クロッティ(クボタ)、リアム・スクワイア(ドコモ)の入団が決定。
今後も海外代表クラスのトップリーグ入団のニュースが続きそうだ。
注目したいのは、ホワイトロックのパナソニック入団。
リードとクロッティは2019年W杯を最後にNZ代表から引退しての来日となる。
しかし、ホワイトロックはNZ協会と4年契約を締結したばかり(Samuel Whitelock locks in four-year deal)
つまり、2019年W杯後もNZ代表の選手としてテストマッチに出場し続ける。
現役の海外代表選手も日本のトップリーグでプレー?
これまでNZは他の強豪国と同様、国内でプレーする選手のみを代表の選考対象としていた。
そのため海外でプレーする選手はカーターのように代表を引退した選手か、代表入りを事実上諦めた選手が多かった。
2018年まではSRとTLは期間が別のため、2月→7月はSRで、9月→1月はTLでプレーした豪や南アの選手もいた。
しかし、さらに代表でもプレーするとなると体の負担も大きく、TL側からするとシーズン途中で選手が入ったり抜けたりとチーム編成に弊害も。
選手は代表選手としてテストマッチでプレーするのを望む一方、より給料の高い日本などで仕事をしたいというジレンマも生じていた。
選手生命は限られている。
例えば自国で年棒3,000万円の選手が日本のチームから7,000万円でオファーがあった場合、誰しも心が揺れるだろう。
しかもトップリーグの方がスーパーラグビーより試合の強度が低く、遠征の負担も少ない。
トップリーグはフランス「TOP14」やイングランド「プレミアシップ」よりも開催期間と試合数が少ないのも大きい。
新トップリーグでは外国人選手の活躍が欠かせない
今回のホワイトロックの契約にあたりNZ協会のチューCEOは「主力クラスの選手と契約の再交渉をする際は柔軟性を持って対応しなければならない」とコメント。
この方針転換から、今後もNZ代表の選手が1→5月は日本のトップリーグで、7月〜11月の代表の活動期間の際は代表でプレーすることが増える可能性が出てきた。
NZだけでなく、オーストラリアや南アフリカも追随するだろう。
日本からするとトップリーグのレベルが高くなり、ファンにとっても楽しみが増えてウェルカムだ。
一方、資金力のあるチームとそうでないチームの差が拡大することになる。
トップリーグの「新リーグ」は8チーム×3部制になるが、海外選手の活躍なくしてはTOP8の最上位のリーグに留まるのも難しくなりそうだ。