過疎化が進む高校ラグビー。部員数は10年で5,000人減少。

高校ラグビー

過疎化が進む高校ラグビー。部員数は10年で−5,000人

世界のラグビー人口は発展途上国を中心に増加し、2017年の競技人口は約910万人と過去最多を更新した。(詳細は世界各国ラグビー競技人口

経済の発展に伴いスポーツをする時間と経済的な余裕が増え、さらに7人制ラグビーがオリンピックの正式競技になったこと等も後押しし、今後もさらに普及しそうだ。

2019年にはアジアで初のワールドカップが日本で開催される。

アジアは世界の約6割もの人口を有する地域だがラグビーが盛んな地域は少なく、W杯を契機にアジアでのラグビーの普及にも期待が高まる。

一方、日本では高校のラグビー部において単独でチームを作れず、同じ地域の高校と合同でチームを結成する話や、高校入学時にラグビー部を選択する生徒が減っているという話を多く聞くようになった。

そこで、ここでは高体連の資料から、高校ラグビーの部員数とその変遷を調べてみた。

高校ラグビー部の高校数と部員数

校数(前年比) 部員数(前年比) 備考
2003 1,252 30,419 W杯豪大会
2004 1,246(-6) 30,241(-178)  
2005 1,241(-5) 29,773(-468)  
2006 1,210(-31) 28,630(-1,143)  
2007 1,183(-27) 27,250(-1,380) W杯仏大会
2008 1,165(-18) 27,340(+90)  
2009 1,149(-34) 26,570(-770)  
2010 1,132(-17) 25,379(-1,191)  
2011 1,109(-23) 24,982(-397) W杯NZ大会
2012 1,108(-1) 24,990(+8)  
2013 1,089(-19) 23,972(-1,018)  
2014 1,075(-14) 23,827(-100)  
2015 1,051(-24) 23,146(-726) W杯南ア大会
2016 1,034(-17) 23,602(+456)  
2017 1,026(-8) 22,434(-1,168)  

2002年以前は検証が不十分で統計資料として公開できないとのことで、2003年以降のデータを引っ張ってきた。

2003年には全国1,252校、30,419人の生徒が高校のラグビー部に所属していたものの、最新の2017年には1,026校、22,434人にまで減少している。

2015年W杯で日本代表が南アに勝利したことにより一時的なブームが巻き起こり、その翌年の2016年は456人増加した。

代表チームの活躍が選手増に結びついたが、その勢いは続かず2017年には過去最少の人数となり、ほぼ右肩下がりの状況が続いている。

ラグビー部のある高校は全ての年において前年比でマイナスに。

日本は少子高齢化が進み、子供の人数自体が減っていることから「しょうがない」と思うかもしれない。

そこで次にラグビー部と他競技の部活の部員数を比較してみた。

ラグビー部と他競技の部員数比較(高校男子)

競技 2003年 2017年(2003年比)
サッカー 149,591 165,977(+16,386)
バスケ 95,459 94,433(-1,026)
バレー 48,314 46,712(-1,602)
ハンドボール 22,888 28,215(+5,327)
水球 1,008 1,408(+400)
ラグビー 30,419 22,434(-7,985)

高校の団体スポーツ(男子)の部員数はこの通り。

高体連の資料に野球は含まれていないため、野球部の人数は記載していないが別資料によると約16万人ほどとのこと。

少子高齢化に伴い高校生の人口は減少しているが、2003年→2017年の人数を見ると、驚くことにサッカー、ハンド、水球の部員は増加している。

バスケとバレーはほぼ横ばい、ラグビー部のみ大きく減少した。

2003年にはハンドボール部22,888人、ラグビー部30,419人とラグビー部員の方が多かったが、2017年にはハンドボール部28,215人、ラグビー部22,434人と完全に追い抜かれている。

高校の体育会系の部活動といえばかつては猛練習&精神論が蔓延っていたが、最近は楽しさを追い求めることも重視、入部した後に辞める生徒も減っている傾向にあるという。

ラグビー部が一人負けしている理由と将来

ラグビーだけが「一人負け」している理由としては、競技の特性(きつい、怪我が多い等)、人気の低迷、代表チームが弱かったことや、舵取りをするラグビー協会の力不足などにあるだろう。

また、部員数が減ってラグビーができる受け皿が減少(廃部)し、さらに新たにラグビーをする人が少なくなるという負のスパイラルに陥っている。

花園への予選では参加校がわずか2校という県や、何十年も連続で出場している高校もあり、多くの都道府県において花園出場校は固定化、さらにベスト4に入るチームもほぼ毎年同じ顔触れとなっている。

このままでは2019年W杯後に一時的に盛り返す可能性はあるものの、競技人口の右肩下りの状況に歯止めがかかることはないだろう。

この状況を変えるには、15人制&7人制代表、スーパーラグビー、トップリーグ、大学、高校と各カテゴリーにおいて、それぞれが強化を図ると同時に、人気・観客動員を向上させる努力と施策が必要。

さらに、小中高などの学校や地域でのラグビーの普及活動にも力を入れなければならない。

その指揮を執るのはラグビー協会となるが、その協会が改革に及び腰で、無為無策なのが残念だ。

まずは協会のガバナンスを改革し、リーダーシップとやる気・能力のある人に日本ラグビーを牽引してもらいたいものの、全く期待できないのがなんとも歯がゆい。

現在、ラグビー界においては来年の自国開催のW杯にベクトルが向かっている状況。

W杯も大事だが、それよりも重要なことはW杯以後もラグビーが持続的に発展し、魅力のある注目されるスポーツになること。

10年後、30年後、50年後も日本代表やスーパーラグビー、大学、高校ラグビーに注目し一喜一憂したいが、果たしてどうなることやら?

世界各国ラグビー競技人口2017。日本のラグビー競技率は世界でも最低水準

2016.09.28