ラグビーとアメフトの違いは?
2018年に日大アメフト部のタックル問題が大きな社会問題になった。
驚くことに、この件とは全く無関係の「日本ラグビー協会」にもこの件についてクレームが多く寄せられたという。
ラグビーとアメフトはボールの形やタックルなどのコンタクトプレーの面で似通った点も多いが、全く別の競技。
その違いが分からない方も多いようだ。
ラグビーはイギリスやフランス、NZ、南ア等で人気があり、アメフトはアメリカ人が熱狂するスポーツ。
共に多くのファンを魅了している。
ラグビーは試合の流れの中で攻守が頻繁に入れ替わるが、アメフトは1プレーごとに試合がストップし攻守がはっきり分かれているのも大きな違いだ。
日本においては人気や競技人口で、野球やサッカー等に遅れをとっているが、ラグビーやアメフトは他の競技にはない迫力やチームプレー、戦術を楽しむことができる。
ここではラグビーやアメフトを全く知らないという方に、この2つの競技の基本の「キ」を解説し、比較をしてみた。
ここで基本ルールを抑え、興味を持ったらぜひお近くのスタジアムへ!
「ラグビー」の基礎知識・基本ルール
ラグビーは1チーム15人(FW8人、BK7人)、試合時間は前後半それぞれ40分。
走ったり、(後ろへ)パスをしたりキックをしながら前進して、相手チームのゴールラインを超えてボールを置く(トライ)ことを目指す。
得点はトライが5点、トライ後のキックが2点、相手の反則から得たペナルティキックによる得点が3点。
主な反則は、ボールを前に落とすプレー(ノックオン)、ボールを前に投げるプレー(スローフォワード)、肩より上へのタックル(ハイタックル)などがある。
↑の動画はラグビーの強豪、NZ代表(黒)とオーストラリア代表(黄)の試合。
0:40に黄色の選手がボールを投げ入れたプレーを「ラインアウト」、1:45に両チームのFWの選手が組み合っているのが「スクラム」という。
これらのプレーがラグビーの見所でもある。
ラグビーはイギリス発祥のスポーツのため、ヨーロッパとイギリスのかつての植民地(南ア、オセアニア諸国等)で盛んに行われている。
なお、7人制ラグビーは2016年のリオ五輪からオリンピックの正式種目になった。
ラグビーのルールのより具体的な説明は「初心者でもラグビーを簡単に理解できるポイント」をご参照。
「アメフト」の基礎知識・基本ルール
アメリカンフットボールは1チーム11人、試合時間は4クォータ計60分(1Q=15分)
攻撃と守備側が明確に別れてプレーを行い、パスやランで相手チームのエンドゾーンへ向かいタッチダウンを狙うスポーツ。
↑の動画は社会人チーム「オービックシーガルズ」のルール解説動画。
ルール解説が非常に分かりやすくまとまっており、これを観れば基本を抑えられる。
得点はタッチダウンが6点、その後のキックが1点、地面に置いてキックをするフィールドゴールが3点。
攻撃側は4回の攻撃で10ヤード(9m)以上進めば、さらに4回の攻撃をすることができ、10ヤード以上進めなければ攻守交替となる。
1回の攻撃で前に投げられるパスは1回のみ。
そのため、パスプレーはリスクを負って大きく前進したい時、ランプレーは確実性を求める時に使う。
アメフトはその名の通りアメリカで生まれたスポーツで、母国アメリカでは人気No.1のスポーツ。
毎年2月に開催される米プロリーグ「NFL」の優勝決定戦「スーパーボウル」は国民的行事だ。
その視聴率は毎年全米での年間視聴率No.1を記録、ハーフタイムショーにも大きな注目が集まる。
ラグビーとアメフトのルールの主な違いを比較すると以下の通り。
ラグビーとアメフトの違いと比較まとめ
ラグビー | 項目 | アメフト |
イギリス | ルーツ | アメリカ |
40分×2 | 試合時間 | 15分×4 |
15人 | プレー人数 | 11人 |
8人まで | 選手交替 | 制限なし |
白ベース | ボールの色 | 茶ベース |
なくてもok | 防具 | ヘルメット等 |
「H」の形 | ゴールポスト | 「Y」のような形 |
反則 | 前にパス | ok |
ボール持った相手のみ | タックル | ボールを持っていない選手へのブロック可 |
欧州、オセアニア等 | 盛んな国 | アメリカ |
7人制ラグビー | 五輪種目 | なし |
トップリーグ | 日本のリーグ | Xリーグ |
帝京、明治、東海、天理等 | 大学強豪 | 関学、立命、法政、日大等 |
トライ 5点 | 得点 | タッチダウン 6点 |
その後のキック 2点 | その後のキック 1点 | |
ペナルティキック 3点 | フィールドゴール 3点 |
必見!ラグビーとアメフトの試合動画
ここではラグビーとアメフトそれぞれの代表的な試合のハイライト動画をご紹介。
基本ルールを理解したうえで、実際の試合動画をみてみると「見え方」も変わってくるはずだ。
【ラグビー】日本代表vスコットランド代表フル(2019年W杯)
【アメフト】早稲田vs関西学院(甲子園ボウル2018)
ぜひ近くのスタジアムでラグビーやアメフトの生の迫力を体感することをおすすめしたい。