レッドカード寸前の東芝。どうなる?東芝(企業)と東芝ラグビー部

東芝ラグビー部

どうなる?東芝(企業)と東芝ラグビー部

昨年末にアメリカの原発事業で巨額の損失が発生すると発表した東芝。

2015年に粉飾決算が発覚して以来、早期退職を募り人員を削減、不採算事業から手を引くなど構造改革を進めた結果、2016年は半導体事業が好調だったこともあり、2017年3月期には黒字となる見込みだった。

しかし最大で7,000億円もの損失が発生する可能性があると発表、これにより一転、債務超過となる可能性まで出てきた。

東芝(東1:6502)の株価は損失発表前に450円近辺で推移していたが、発表後に売り込まれ2月14日(火)終値は229円まで値を下げている。約1ヶ月半で時価総額が約1兆円も減少、格付け会社による格下げも相次いだ。

ボラティリティー(価格変動)の大きい東芝株にはデイトレーダーや機関投資家が大挙し参戦、連日大商いが続いている。

ラグビー的に説明すると、粉飾決算で一度イエローとなりシンビンから戻ってプレーしていたところ、再度危険なプレーを犯し、現在はTMOの判定待ちといったところか。ラグビーではイエローカード2枚で退場となる。

ラグビーファンとして心配なのが東芝ラグビー部に及ぼす影響。粉飾決算時にはラグビー部の存続について表向き議論されることはなかったが、今回ばかりは厳しい対応となることも想定される。

ここでは、粉飾決算時から遡って、今東芝がどういう状況にあるのかザックリまとめてみた。

東芝の粉飾決算から巨額損失発表に至るまで

【2015年7月】
利益の水増し等により2,306億円の粉飾決算を発表

【2015年9月】
東証が東芝株を「特設注意市場銘柄」に指定

【2016年3月期の連結決算】
最終赤字が4,600億と過去最高に

【2016年9月末(直近決算)】
株主資本(資産)は3,632億円

【2017年2月現在】
アメリカの原発事業で最大7,000億円の損失が発生すると発表。2017年3月期の連結決算予想は1,450億円の黒字だったが、これにて一転、債務超過の可能性に。

東芝は2015年12月のS&W社買収(買収金額は270億)に伴って発生する損失(のれん)を100億円程度と見積もっていたが、これが今になって最大で7,000億円になるというから驚きで、見積もりが甘いという以前に経済犯罪の匂いがするほどだ。

将来性に期待し270億円で会社を買ったところ、その会社が最大で7,000億円もの負債を抱えている可能性があり、さらに金庫には3,632億円しかないという状況。

財務上は資産3,632億円に、2016年度の利益と今回の損失分を合算した金額がマイナスになると債務超過となる。

今後は損失額を確定させるとともに銀行に融資を要請、さらに財務基盤を強化するため、稼ぎ頭の半導体事業を分社化し他社からの出資を受入れ、他の事業も売却を検討している。

東芝と東芝ラグビー部の今後

東芝(企業)

ロイターブルームバーグによると東芝の主力銀行は融資に応じる方向で検討しており、当面の危機は乗り越えることができそうだが、さらなる不動産や事業の縮小、リストラを求められることは間違いなく、企業としての体力は大幅に縮小するのは避けられない。

東芝株については現在「特設注意市場銘柄」という内部管理体制に問題があり投資家に注意を促す銘柄に指定されている。これが、さらに踏み込んで、上場廃止となる可能性がある銘柄を意味する「監理銘柄」に指定されることも想定される。

仮に監理銘柄に指定されても、東芝は大企業で株主の人数も約45万人と多く、さらに原子力や防衛といった機密性が高く国にとって重要な事業を扱っていることから、政治の介入などが入り上場廃止には至らないだろう。つまり、影響が大き過ぎて潰せないということだ。

東芝ラグビー部

東芝ラグビー部は長年にわたり社会人の強豪として日本ラグビー界を引っ張り、さらに企業としては男子日本代表やワールドカップのスポンサーとなるなど、ラグビー界への貢献は計り知れない。

現在の日本ラグビー協会の会長は東芝の社長を務めた岡村正氏、強化責任者は東芝出身の薫田真広氏だ。

一般的に企業が経営上の危機に陥った時、経費を削減するために社員のリストラや賃金カット、資産の売却で再生と企業の存続を図る。

東芝は2015年の夏以来、有力事業を売却しただけでなく、1万4,000人以上のリストラを実行、2017年度の新卒の採用は受け付けていない。

今回の巨額損失で株主や銀行から厳しい対応が求められ、さらに多くの人がリストラとなるような状況で、ラグビー部や野球部に資金を投じることは難しく、これまで通りというわけにはいかないかもしれない。(なお、バスケ部は川崎ブレイブサンダースとしてBリーグのプロチームとして独り立ちしている。)

他社が東芝との合併や経営統合、または資本参加をして、パナソニックに買収された三洋電機のように選手が会社を変えてラグビー部が存続することも考えられる。

例えばキヤノンは東芝と取引関係が密で、2016年にはキヤノンが東芝メディカルを6,655億円で買収した実績もある。

いずれにしろ、東芝は期末に向け正念場を迎えている。ベストシナリオとしては、この危機を乗り切ってラグビー部も継続、企業としても再生を果たしてV字回復ということになるが、綱渡りの状況は続く。

選手も不安なはずだ。ラグビーファンとしては東芝ラグビー部と選手を応援し、来シーズンのトップリーグでの奮闘に期待したい。

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2017.02.18