関東大学ラグビーはなぜ「対抗戦」と「リーグ戦」に分かれているのか?統一は不可能?

早稲田大学ラグビー部

関東大学ラグビー対抗戦とリーグ戦の歴史的背景

2016年の関東大学対抗戦は12月4日の早明戦で全日程が終了、関東のもう一つのグループであるリーグ戦は11月27日に一足早く終えている。

対抗戦とリーグ戦の最終順位は以下の通りとなった。

関東大学対抗戦2016最終順位

順位 大学 得失点
1位  帝京  7 +448 
2位  早大  +71
3位  明治 +197
4位  慶應  +160 
5位  筑波  +35
6位  青学  -206 
7位  日体  6 -298
8位  成蹊  7 -407

関東大学リーグ戦2016最終順位

順位 大学 得失点
1位  東海  +321
2位 流経  +175 
3位 大東  +144
4位  中央  -15 
5位 拓殖  -37 
6位 関東  -165
7位 法政  -115 
8位  日大  -289

この表からも対抗戦とリーグ戦共に上位と下位のチームの力の差があることは歴然で、対抗戦1位の帝京は全勝で得失点が+448点、最下位の成蹊は全敗で-407点となっている。

リーグ戦も同様で1位の東海は6勝1敗の+321点、一方日大は7戦全敗で-289点だ。

ここで思うのは、なぜ対抗戦とリーグ戦を統一しないのかということ。

例えば新リーグの頂点グループをそれぞれ上位4校の帝京、早稲田、明治、慶應、東海、流通経済、大東文化、中央の8校とすれば、強豪同士の試合が増えて接戦が多くなり大学ラグビーの強化と発展につながるはずだ。

例えば帝京大学は2016年シーズン、フルメンバーでなくても対成蹊戦で91-0、日体戦134-3、青学戦111-0と一方的な試合結果だった。

これが対東海、流経、大東となった場合は、ここまで一方的な展開になることはなく、チームとしても試合への挑み方や気持ちの持ちようが異なってくる。下位のチームからしても100点ゲームとなる相手との戦いはレベルが異なり勝負にならず消耗するだけだ。

そこで、この不可解な状態がなぜ続いているか調べたところ(ソースはwiki等)、対抗戦とリーグ戦の2グループ制は伝統校と新興校の対立から生まれたことが分かった。その経緯を以下に紹介したい。

定期戦に拘る対抗戦グループ、対立してできたリーグ戦

かつては関東の大学ラグビーは一つのグループで、公式戦は伝統校同士の対戦を毎年同じ日に行う対抗戦(定期戦)方式にて開催されていた。

早稲田、明治、慶應を中心とする伝統校同士の試合日は毎年固定、一方総当たり戦を主張する新興校とは日程の調整がつかないため、伝統校と新興校は試合ができない状態が続き、さらに大学ラグビーの人気などを受け加盟校が増えるにつれて対立が深くなった。

そして1967年に日大、中央、法政、専修が中心となり総当たり方式のリーグ戦グループが誕生した。

一方、対抗戦は総当りではなく、試合数にばらつきがあったが1997年に総当たり制を採用した。

なお、慶應は1997年まで帝京を「新興チームであり伝統校ではないので対戦するに値しない」とし、対戦を一貫して拒否し続けていたことからも、伝統校のプライドと定期戦への拘りの凄まじさがよく分かる。

現在の対抗戦グループはAグループ8校、Bグループ8校の計16校で毎年A,B間で入れ替え戦を実施し、新規の加入は受け付けていない。一方、関東大学ラグビーリーグ戦は1部〜6部まで合計47校が所属、新たな加盟も受け付けている。

2008年には関東ラグビー協会がリーグ戦と対抗戦の統一を模索し委員会を設立したが、対抗戦とリーグ戦のほとんどの大学が統合に反対したことから話はまとまらず現在に至っている。

しかし、2012年から公式戦数の増加と強化を目的に対抗戦とリーグ戦の前年秋の成績上位同士が対戦する関東大学春季大会が開催されている。

2016年の春季大会は2015年秋の対抗戦、リーグ戦上位から3校、計6校が総当たりで行い、最上位のAグループは1位帝京、2位流経、3位東海、4位明治、5位筑波、6位中央という結果となった。

しかし、新チームがスタートして間もない春の開催でチームの状態も高くなく、注目度では秋から冬にかけて行われる公式戦より注目度ははるかに低い。

立ち消えになったがやはり統合すべき

日本のラグビー界は早・明・慶を中心に発展、人気面で長年主役の座に君臨してきた。しかし、2015年のW杯で日本代表が活躍、2016年にはサンウルブズがスーパーラグビーに参戦、7人制代表はリオ五輪で4位入賞を果たし、2019年には日本でW杯が開催される。

ラグビー界を取り巻く環境はここ数年で大きく変わりつつあり、かつて国立に6万人を超える観客を集めた早明戦は今や2.5万人のキャパシティの秩父宮に2万1,916人を集めるのでやっとという状況に。

早慶戦は18,226人だった。実力面では大学選手権を7連覇している帝京大学や東海大学が牽引している。

一方で、日本代表チームやサンウルブズのプレゼンスは高まるはず。W杯に向けて全ては日本代表の強化のためにという、大きな軸ができつつあり、大学ラグビーにおいてもこの流れに逆らうべきではない。

大学野球も六大学と東都に分かれているが、選手層が厚く上位と下位の力関係がラグビーほど大きくないことから(東大を除く)、野球は現状の方式で問題ないと思う。

ラグビーにおいては同グループ内で実力差が明らかなため伝統に固執するのではなく、対抗戦とリーグ戦を統一させて、よりレベルの高い魅力的な試合を増やすべき。

それでも伝統の一戦を継続したいのであれば、11月の勤労感謝の日に開催する早慶戦、12月の第1日曜日に開催する早明戦は新しいリーグの公式戦とは別に毎年開催するというのも一つの手だ。

各校のOBや大学ラグビーのオールドファンからすると「とんでもない!(怒)」ということになるかもしれないが、普通の感覚からすると「いびつな状況」であることは間違いなく、近い将来統合されることを期待したい。

2016年大学ラグビー(関東対抗戦、リーグ戦、関西リーグ戦)日程・結果・順位

2016.09.12