関東大学ラグビーはなぜ「対抗戦」と「リーグ戦」に分かれているのか?統一は不可能?

早稲田大学ラグビー部

関東大学ラグビー対抗戦とリーグ戦の歴史的背景

2018年の大学ラグビー秋の公式戦が開幕、今年も関東対抗戦とリーグ戦内の上位と下位チームの試合は大差が目立っている。

対抗戦を例に挙げると、明治が青学に88-0、帝京は成蹊に113-7と一方的な展開で勝利、同じ土俵に上がって戦うのに限界があるレベルだ。

ここで思うのは、なぜ対抗戦とリーグ戦を統一しないのかということ。

例えば新リーグを対抗戦、リーグ戦それぞれ上位4校計8校のとすれば、強豪同士の試合が増えて接戦が多くなり大学ラグビーの強化と発展につながるはずだ。

さらに、全国大学選手権の前の秋の公式戦の段階で「帝京vs東海」、「明治vs大東文化」など対抗戦とリーグ戦の垣根を超えた強豪校の対戦が実現する。

そこで、このような不可解な状態がなぜ続いているか調べたところ、対抗戦とリーグ戦の2グループ制は伝統校と新興校の対立から生まれたことが分かった。

その経緯を以下に紹介したい。

定期戦に拘る対抗戦グループ、対立してできたリーグ戦

かつては関東の大学ラグビーは一つのグループで、公式戦は伝統校同士の対戦を毎年同じ日に行う「対抗戦(定期戦)方式」て開催していた。

現在も早稲田、明治、慶應を中心とする伝統校同士の試合日は固定、例えば早明戦は12月の第1日曜日に行っている。

一方、新興校は総当たり戦を主張したものの日程の調整がつかず、伝統校と新興校は試合ができない状態が続いた。

1960年代になると大学ラグビーの人気が拡大、さらに加盟校が増えて対立が深くなった。

そして1967年に日大、中央、法政、専修が中心となり総当たり方式のリーグ戦グループが誕生した。

これが現在のリーグ戦に繋がっている。

なお、伝統校の中には新興校を「新興チームであり伝統校ではないので対戦するに値しない」とし、対戦を一貫して拒否し続けていたこともあり、伝統校のプライドと定期戦への拘りの凄まじさがよく分かる。

現在の対抗戦はAグループ8校、Bグループ8校の計16校で毎年A,B間で入れ替え戦を実施、新規の加入は受け付けていない。

一方、リーグ戦は1部〜6部まで合計47校が所属、新たな加盟も受け付けている。

2008年には関東ラグビー協会がリーグ戦と対抗戦の統一を模索し委員会を設立したが、対抗戦とリーグ戦のほとんどの大学が統合に反対したことから話はまとまらず現在に至っている。

その後も統一の話が持ち上がっては消え、という状況が続いている。

2012年からは、公式戦の試合増加と強化を目的に対抗戦とリーグ戦の前年秋の成績上位同士が対戦する関東大学春季大会が開催されている。

2018年の春季大会は2017年秋の対抗戦、リーグ戦上位から3校、計6校が総当たりで行い、最上位のAグループは1位明治、2位帝京、3位大東、4位慶應、5位東海、6位流通経済という結果となった。

ちなみに早稲田は2017年の結果によりBグループで戦い、1位筑波に次いで2位になった。

この「春季大会方式」を秋の公式戦にも適用すればいいだけの話だが、抵抗勢力?の力が強いのか実現する見込みはない。

対抗戦とリーグ戦は統合すべき

日本のラグビー界は大学ラグビーの早・明・慶を中心に発展、人気・実力面で長年主役の座に君臨してきた。

しかし、ラグビー界を取り巻く環境は大きく変わり、かつて国立に6万人を超える観客を集めた早明戦は今や2.5万人のキャパシティの秩父宮に2万を集めるのでやっとという状況に。

実力面では大学選手権を9連覇している帝京大学や東海大学が牽引している。

大学野球も六大学と東都に分かれているが、野球の競技人口はラグビーよりはるかに多く選手層も厚いため、上位と下位の力関係がさほどないことから、現状の方式で問題ないだろう。

ラグビーにおいては100点ゲームが頻発するなど、同グループ内で実力差が明らか。

いい加減、「伝統」に固執するのではなく、対抗戦とリーグ戦を統一させて、よりレベルが高く、魅力的な試合を増やすべき。

それでも伝統の戦いを継続したいのであれば、11月の勤労感謝の日に開催する早慶戦、12月の第1日曜日に開催する早明戦は新しいリーグの公式戦とは別に毎年開催するというのも一つの手。

各校OBや大学ラグビーのオールドファンからすると「とんでもない!(怒)」ということになるかもしれないが、普通の感覚からすると「いびつな状況」であることは明らか。

1年でも早く対抗戦とリーグ戦が統合されることを期待したい。

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