ラグビー界における「ティア1(tier1)」と「ティア2」とは?ティア1を目指す日本

ラグビーボール

ラグビー界における「ティア」の存在

各国のラグビー代表チームの強さを測る指標としてワールドラグビー(ラグビーの国際統括団体)が発表する「世界ランキング」があり、テストマッチの結果をポイント化することによりランキングされている。(世界ランキングの詳細はこちら

世界ランキングとは別に、ラグビーにおいては「ティア(tier)」と呼ばれる「階級」が存在し、強豪国で構成される「ティア1」と中堅国の「ティア2」、発展国の「ティア3」から成っている。

ティア1、ティア2といった区分けに厳密な決まりやルールは存在せず、その国の強さや伝統、格により決定づけられている。

ティア1(tier1)の10カ国

国名 世界ランキング W杯最高成績
NZ  1位  優勝 
イングランド  2位  優勝 
オーストラリア  3位  優勝 
アイルランド  4位  ベスト8 
南アフリカ  5位  優勝 
ウェールズ  6位 3位 
スコットランド  7位  4位 
フランス  8位  準優勝 
アルゼンチン  9位  3位 
イタリア  13位  予選敗退 

※世界ランキングは2016年11月時点

ティア1は「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」の南半球4カ国と、「シックス・ネーションズ(欧州6カ国対抗)」の6カ国、合計10カ国により構成される。

アルゼンチンは元々ティア2の国であったが、2007年W杯で3位、20011年W杯でもベスト8に進出し、2012年には南半球の強豪同士が対戦するラグビーチャンピオンシップに参加、現在はティア1の仲間入りを果たしている。

ティア2(tier2)の13カ国

国名 世界ランキング W杯最高成績
フィジー 10位  ベスト8
日本 11位  予選敗退
ジョージア 12位  予選敗退 
サモア 14位  ベスト8 
トンガ 15位  予選敗退
ルーマニア 16位  予選敗退
アメリカ 17位  予選敗退
カナダ 18位  ベスト8 
ロシア 19位  予選敗退
ナミビア 20位  予選敗退 
ウルグアイ 21位 予選敗退 
スペイン 22位 予選敗退
ポルトガル 25位 予選敗退 

ティア1に続く、ティア2の国々がこの13カ国。W杯には出場しているものの、予選を突破する実力のないチームがほとんどだ。

このティア2の中でも注目されているのが2015年W杯で3勝を挙げた日本と、2勝したジョージア、そして世界ランキング10位と最上位のフィジー。

実際この3カ国は2016年11月にウェールズ、スコットランド、イングランドの「ティア1」とのテストマッチが実現、ティア1に最も近い国とされている。

ティア3以下のチームはW杯に出場したことがないが強化に熱心なチームで構成される。

アジアでは韓国や香港、ヨーロッパではドイツやベルギー、南米ではブラジルやチリといった国々だ。

ラグビーの代表チームが強くなるには「経済力や人口」、「ラグビーへの熱量」といったものとある程度相関する。

スペインやドイツ、アメリカは国の規模が大きいだけでなくスポーツも盛んでラグビー人口も急増しておりこれからさらに強くなるはずだ。

一方、フィジーやサモアといったアイランダーの国々は選手の身体能力は高いものの国が小さいために資金力がなく、有力選手が他国に流出するなどしてチームの強化が図れないといった問題も生じている。

※ティア1、ティア2のチームはList of international rugby union teamsを参照

ティア1とティア2の見えない壁があるが改善方向へ

ラグビーは歴史的経緯からティア1(イタリアとアルゼンチンを除く)の政治力が強くワールドラグビー(WR)もティア1の国を中心に運営されている。そのため、ティア1の国にとって都合のいいような制度もありティア2の国は頭を悩ませることも。

毎年6月、11月に行われるウインドウマンスのテストマッチはWRの管轄の元に行われ、基本ティア1同士、ティア2同士で行われる。

日本がティア1の国と2か国間で話を進めてもWRから許可が下りずに試合ができなかったこともあった。

また、2015年のラグビーW杯で日本は南アフリカと対戦した後、中3日の短いスパンでスコットランドと対戦したが、このようなW杯のスケジューリングもティア1の国に有利に設定されており、2019年大会では公平さが求められている。

しかし、2019年W杯が日本で開催されること、日本やジョージアといった国が力をつけていることや、ラグビーマーケットを拡大するためにWRの保守的な姿勢も変わりつつあり、日本は6月にスコットランドと対戦、11月にはウェールズとも対戦も実現した。

日本がティア1になるためには

日本がティア1になるためには、アルゼンチンの例を見てもわかるように少なくとも「W杯でベスト8以上」の成績が求められ、その力をキープする必要がある。

残念ながら、NZやオーストラリアのメディアの報道を見ていると、日本がウェールズと善戦しても、それは「奮闘」といったような言葉で表現され「日本が格上チームに頑張った」というようなニュアンスがあり、まだ自国にとって脅威の存在だとは思われていない。

日本としてはティア1との対戦機会は少ないが、2016年から参入したスーパーラグビー「サンウルブズ」を強化の柱に据えてW杯で予選突破を果たしたい。

そしていつの日か、ラグビーチャンピオンシップに日本が参戦するようになれば、毎年NZ、南ア、オーストラリア、アルゼンチンのティア1との試合が組み込まれ、テストマッチのマッチメイクにも悩むことがなるなるだろう。

2016年はサンウルブズのスーパーラグビー参入、そして2019年W杯日本大会と日本ラグビーにとっては強化の追い風が吹いている。このチャンスをものにして強化を図り、日本ラグビーのプレゼンスを世界で高めるようにしたい。