世界のラグビー競技人口・ラグビー比率と世界ランキング
ラグビーの国際的な統括団体であるWorld Rugbyが年に1度作成し公開する「Year in Review」
その年の国際大会のハイライトや普及活動、財政状況などが100ページ以上に及ぶ内容でまとめられており、世界のラグビーの状況を知るうえで非常に参考になる読み物だ。
ここでは、レポートの中の各国のラグビー競技人口に注目し、そのデータを総人口や世界ランキングと掛け合わせることによって、各国のラグビー人気など調べてみた。
すると、日本のラグビー熱(総人口におけるラグビー競技人口)の低さに驚くことに。
2018年現在、ラグビーは世界123ヶ国で行われており競技人口は約960万人(うち270万人が女性)
7人制ラグビーが五輪の正式種目になったこともあり、2015年からの3年間で770万→960万人と競技人口は急増している。
世界各国のラグビー競技人口と競技率2018(選手登録者)
順位 | 国名 | 競技人口 | 総人口 | ラグビー率 |
1位 | 南ア | 63万人 | 5,543万人 | 1.1% |
2位 | イングランド | 35万人 | 5,561万人 | 0.6% |
3位 | 豪 | 27万人 | 2,464万人 | 1% |
4位 | フランス | 26万人 | 6,493万人 | 0.4% |
5位 | NZ | 15万人 | 460万人 | 3.2% |
6位 | アメリカ | 13万人 | 3.2億人 | 0.04% |
7位 | フィジー | 12.3万人 | 90万人 | 13.6% |
8位 | ケニア | 12.2万人 | 4,970万人 | 0.2% |
9位 | アルゼンチン | 12.1万人 | 4,427万人 | 0.2% |
10位 | 中国 | 11万人 | 13.8億人 | 0.007% |
上表の競技人口は各国の「registered players(協会への選手登録者数)」
つまり、本格的にラグビーをしている人の人数を表す。
一番右の「ラグビー率」は競技人口を総人口で割ったラグビーをしている人の割合(ラグビー競技率)
日本はTOP10には入っておらず、競技人口は「108,796人」で、ラグビー率は「0.08%」
日本ラグビー協会はこの登録者数を2019年に20万人にすることを目標に掲げていた(日本ラグビー戦略計画2016-2020)
しかし2015年の115,205人→2018年108,796人(-6,409人)と、増加するどころか減少しており、目標達成は不可能な状況。
2015年W杯では日本代表が南アに勝利するなど大金星を挙げて一時的に盛り上がったものの、その勢いを競技人口増に結びつけることができなかったのが非常に残念。
世界各国のラグビー競技人口と競技率2018(関係者含)
順位 | 国名 | 競技人口 | 総人口 | ラグビー率 |
1位 | イングランド | 211万人 | 5,561万人 | 3.8% |
2位 | アメリカ | 147万人 | 3.2億人 | 0.5% |
3位 | 南ア | 69万人 | 5,543万人 | 1.2% |
4位 | フランス | 53万人 | 6,493万人 | 0.8% |
5位 | 豪 | 47万人 | 2,464万人 | 1.9% |
6位 | 日本 | 29万人 | 1.3億人 | 0.2% |
7位 | コロンビア | 26万人 | 4,907万人 | 0.5% |
8位 | フィジー | 22万人 | 90万人 | 24% |
9位 | カナダ | 21.7万人 | 3,706万人 | 0.6% |
10位 | 中国 | 21.5万人 | 13.8億人 | 0.02% |
この表の「競技人口」は、ラグビー指導者などの関係者も含めたラグビーの競技人口。
TOP10の中では日本のラグビー競技率は中国の0.02%に次いで少ない「0.2%」になっている。
0.2%ということは人口100万人都市(e.g.千葉市、仙台市)において、ラグビーをしている人は2,000人という計算に。
ラグビー率は「ラグビー熱」と置き換えることもでき、日本においてラグビーが他国と比べても人気や普及面で劣っていることが明らかに。
アメリカは近年、学校の授業などにおいてラグビーを取り入れるなど普及に力を入れており、約150万人の2位となっている。
アメリカは2018年にプロリーグ「Major League Rugby」がスタート、今後代表チームも強くなるだろう。
世界各国のラグビー競技人口(世界ランキング順)
世界ランク | 国名 | 競技人口 | 総人口 | ラグビー率 |
1位 | NZ | 15万人 | 460万人 | 3.2% |
2位 | ウェールズ | 10.7万人 | 303万人 | 3.5% |
3位 | アイルランド | 21万人 | 474万人 | 4.4% |
4位 | イングランド | 211万人 | 5,561万人 | 3.8% |
5位 | 南ア | 69万人 | 5,543万人 | 1.1% |
6位 | 豪 | 47万人 | 2,464万人 | 1.9% |
7位 | スコットランド | 18万人 | 542万人 | 3.3% |
8位 | フランス | 53万人 | 6,439万人 | 0.8% |
9位 | フィジー | 22万人 | 90万人 | 13.6% |
10位 | アルゼンチン | 16万人 | 4,427万人 | 0.4% |
11位 | 日本 | 29万人 | 1.3億人 | 0.2% |
こちらはラグビー世界ランキングを基準にしたデータ。
ラグビー熱(ラグビー率)が高い国はやはり強いということがわかる。
世界ランキング1位のNZやB&Iライオンズを構成するイングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドは全てラグビー率が3%以上だ。
日本はこの中では最も低い0.2%。
高校ラグビーの部員数は2018年度に過去最低となる21,702人にまで減少(過疎化が進む高校ラグビー)
残念ながら非常に厳しい状況が続いており、日本ラグビーの見通しは暗いのが現状だ。