大学ラグビー選手権8連覇を達成した帝京大学のこれまでと今後を占う

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帝京大学ラグビー部V8達成!日本ラグビー界の歴史を塗り替える

2017年1月9日に行われた第53回大学ラグビー選手権大会決勝で帝京大学が東海大学を33-26で下し、見事「大学選手権8連覇」を達成した。(観戦記はこちら

帝京は東海に一時14点リードされる苦しい展開ながら後半23分に逆転、最後もゴール前まで攻められ苦しんだうえでの優勝。試合後のインタビューで普段は落ち着いてる岩出雅之監督が「しびれました!」と興奮気味に話しているのが厳しい試合だった事を物語っていた。

胴上げで岩出監督や亀井亮依キャプテンが宙に舞ったのは「8回」。この8連覇という数字は、これまで新日鉄釜石と神戸製鋼が日本選手権で成し遂げた7連覇を超える日本ラグビー界にとっての歴史的記録だ。

大学選手権での連覇記録で帝京に続くのは平尾誠二、大八木淳史らを擁して1982年から3連覇を遂げた同志社大学で、いかにこの「8連覇」という数字が凄いのかがよく分かる。これまで8連覇を成し遂げた帝京歴代キャプテンと決勝スコアは以下の通りだ。

帝京大学ラグビー部8連覇の歩み

年度 キャプテン(現所属) 決勝スコア
2009 野口真寛 14-13 東海
2010 吉田光治郎(トヨタ) 17-12 早稲田
2011 森田佳寿(東芝) 15-12 天理
2012 泉敬(NTTドコモ) 39-22 筑波
2013 中村亮土(サントリー) 41-34 早稲田
2014 流大(サントリー) 50-7 筑波
2015 坂手淳史(パナソニック) 27-17 東海
2016 亀井亮依 33-26 東海 

現在の日本代表キャプテンでもある堀江翔太(パナソニック)は2007年度のキャプテンで、この時は準決勝で早稲田に敗れている。

帝京大学は人工芝の練習グラウンドやラグビー部専用のトレーニング施設が揃い、さらに栄養士による食事管理がなされ、トレーナーなど各分野の専門家からサポートを受けることができるなど、ラグビーをする環境が充実している。

さらに岩出監督は人格形成にも力を入れており、上級生が率先して雑務をこなし、挨拶・掃除の徹底、地域住民との交流なども行い、強さだけでなく人間教育の面でも高く評価されるチームとなった。

今は高校日本代表クラスの選手でも早明を蹴って、帝京へ進学する選手も多いという。さらに全国から帝京でラグビーをしたいという向上心の高い高校生が入部し、その結果部内の競争も激しくなる。こうした好循環が帝京大学の8連覇の源となっている。

大学選手権の優勝回数では早稲田が15回で1位、明治の12回、そして帝京の8回となっているが、帝京ラグビー部の勝つための文化はしっかり根付いており、早稲田の記録を抜く日がいつか訪れるかもしれない。

帝京大学に対抗するのは東海と早稲田か

他大学は当然「打倒帝京」を掲げ挑んでくるため、8連覇を達成した王者といえども勝ち続けるのは難しい。現に8連覇を達成した決勝戦で、7点差以内の僅差の試合は5試合もあった。

帝京は今回の東海との決勝戦で先発した15人のうち引退する4年生は6人で、9人が1年〜3年生という布陣だった。部員数は毎年140名〜150名と大学トップクラスの部員数で選手層も厚く、来年も優勝候補筆頭で大学選手権に帰ってくるのは間違いないだろう。

この帝京に対抗するのはやはり東海大学か。東海はスクラムで帝京FWを押し込んだPR三浦昌悟、HO大塚憂也やLOテトゥヒ・ロバーツはまだ3年生。大会を通して活躍の目立ったNo.8テビタ・タタフ、WTBアタアタ・モエアキオラはまだ2年生、他にも優れた選手が多い。

決勝で帝京に敗れた後、ロバーツやタタフら外国出身選手も日本人選手同様に涙を流し悔しがっていたのが印象的だった。来年も帝京vs東海という決勝カードになる可能性が高い。

2018年に創部100周年を迎える早稲田にも注目したい。1999年に同じく創部100周年で大学日本一に輝いた慶應のように、山下大悟監督は2018年での大学選手権優勝をターゲットにチームを強化しているようで、2016年の早明戦には1年生を5人も先発させ見事24-22で勝利している。

早稲田は11月6日の帝京戦で3-75と大敗し現在は力関係は帝京に分があるが、2018年に帝京の10連覇、または早稲田の創部100周年での優勝をかけた大一番が大学選手権の決勝で実現するかもしれない。そうなれば話題性も十分、秩父宮に多くの観客が押し寄せ盛り上がること間違いなしだ。

【観戦記】第53回大学ラグビー選手権決勝 帝京大学vs東海大学

2017.01.09