なぜ日本代表選手がサンウルブズでプレーしないのか?
スーパーラグビー最後となる2020年シーズンを戦うサンウルブズだが、W杯でプレーした日本代表選手は1名もいない。
日本代表の選手は社会人リーグ「トップリーグ」のチームに所属している。
2020年はトップリーグとスーパーラグビーの期間が重なり、選手はトップリーグの試合に出場するためというのがその理由だ。
普通に考えると「よりレベルの高いスーパーラグビーを優先すべきでは?」と思うはず。
ところが、そうならない所に日本のラグビー界が抱える課題・ジレンマが表れている。
すべては日本開催のW杯のために
トップリーグはW杯年を除き、8月下旬→1月中旬ごろに開催してきた。
ところが2018年シーズンは、1ヶ月前倒しの12月中旬に終了。
これは、2019年2月から始まる日本代表合宿の前に、代表候補選手にまとまった休養を与えるという意味があった。
そして2019年シーズンは(W杯と期間が重なるため)トップリーグの開幕を2020年1月へ後ろ倒しにする変則スケジュールに。
こうして、2020年はトップリーグとスーパーラグビーの開催期間が同時期に。
トップリーグのチームは日本開催のW杯で代表が結果を残すため、スケジュールや選手派遣の面で協力してきた。
そのためチームからすると、2020年はトップリーグでのプレーに専念して欲しいという思いがあるだろう。
選手としても生活の基盤を支えてくれる(トップリーグの)チームのためにとの気持ちが強いはず。
この通り、トップリーグの企業も含め全てがW杯のために「one team」になった結果、W杯ベスト8につながった。
今後は、トップリーグの開催期間を1月→5月にずらすなど、W杯開催年でも影響を受けないようスケジューリングすることも検討すべきだ。