2019/10/13 日本代表vsスコットランド代表戦→元日本代表選手の評価・解説

ラグビー日本代表

日本vスコットランド→元日本代表選手の評価・解説

坂田正彰(日本代表33cap)勝利で日本に勇気を与えてくれた

日本は最後まで戦い続けた。前半、得点を重ねて日本のペースになりかけたが「2トライ2ゴール取られても大丈夫」という考えは頭になかったはず。それは最後まで点を取りにいったことにも表れている。

オフロードパスがうまくつながったように、他の選手がしっかりとサポートしていた。稲垣のトライの場面は狙ってつないだわけではなく、相手のDFが攻めてきたから。イチかバチかで、カットされる恐れもあるのに、その場で状況判断して出した。

それができたことが、やってきたことの成果の表れだ。前半は正直、セットプレー、ラインアウトとも精度が良くなかった。具が抜けた後のスクラムはどうかなと思ったけど、FWもバックスも助け合いながら勝利を目指した。

勝利は残りのメンバーも含めた「ONE TEAM」でつかんだものだ。

試合が開催されたことも大きかった。台風の影響で試合ができないところもあったし、釜石では2試合のうちの1試合が中止に。無観客試合になる可能性があったかもしれない。

そういう状況で、ファンの前でゲームができた。途中、プレッシャーをかけられて心が折れそうになったこともあるだろう。そのたびに選手は勇気をもらった。彼らは勝利で日本に勇気を与えてくれた。

南アフリカ対策はこれからでいい。まずはこの日の成果と反省をし、体を休めてもらいたい。そして、もう一度“ドラマ”を見せてほしい。(スポーツ報知

砂村光信(元U23日本代表監督)成長度は日本が一番

フィジカル勝負で負けず、ディフェンスで相手を機能不全にした。勝因はこれに尽きる。常に低いタックルで、1対1の場面では前へ行かせず、スコットランドはボールを回すほど後退するはめになった。

姫野に飛ばされた選手が肘打ちをアピールしたのが象徴的で、SHレイドローらが判定への不満をあらわにするなど、何もできないいら立ちが見えた。

スコットランドは後半、打開策として外にボールを集めてきた。しかし、日本もすぐに修正したため傷口は広がらなかった。試合を通じて光ったのは、福岡と松島の両WTBの判断力。相手の動きに対応してポジションを細かく変え、スペースを埋めていた。

時にはスコットランドをだますような動きも見せてディフェンス網に引きずり込み、福岡のインターセプトもその流れから生まれた。2人の決定力もさすがだが、ボールを持たないところでのプレーが素晴らしかった。

ベスト8が出そろったが、大会が始まってからの成長度は日本が一番だ。アイルランドとスコットランドを破ったのだから、欧州6カ国対抗に参加する資格もあると思う。

準々決勝の南アフリカには大会前に大敗しているが、今の日本には参考にはならない。

鍵を握るのはFWのフィジカル勝負とやはりディフェンス、特にフロントスリーとバックスリーのディフェンスの連係になる。ケガ人もプロップの具智元ぐらいとみられ、万全の布陣で臨んでほしい。(スポニチ

畠山健介(日本代表78cap)南ア戦はFW合戦に

ただただ、感動した。この試合のPOM(プレーヤー・オブ・ザ・マッチ)は、ラグビーW杯の日本開催に尽力してくれたすべての人にあげたい。日程などホームの優位性も、そういう人たちの頑張りの土台の上に成り立っている。

過去最強クラスの台風で、日本列島は甚大な被害を受けた。8年前の東日本大震災の時もそうだったが、心が打ちひしがれた人たちに、前に出る勇気や協力する気持ちをスポーツを通じて示すことができた。やっぱりラグビーは素晴らしい。

前半は攻撃面、後半は守備面の頑張りが勝利につながった。今大会、アイルランド戦以外は失点がなかった相手に、前半から3トライを奪った。

堅いディフェンスに対してオフロードでつないで抜け切るなど、目を見張るものがあった。後半はSH田中が試合をコントロールして、前半のリードを守ることができた。

4連勝での1次リーグ1位突破。本当に素晴らしいことだ。ラグビー界の目標は、常に高いベンチマーク(指標)を残していくこと。今の選手たちが、日本ラグビーの次のステージへの扉を開いてくれた。次の世代が、頑張って歴史をつないでほしい。

目標に掲げていたベスト8はひとまず達成した。この先は、行けるところまで行ってもらいたい。体が動く限り、悔いのないように頑張って、新しい歴史を作ってほしい。

準々決勝の相手は、南アフリカ。4年前には勝ったが、今W杯開幕前には負けた。「いったんケリをつけよう」という戦いになる。おそらくFW合戦になるだろう。強いフィジカルとラインアウトに、どう対応できるかがカギとなる。

最後に日本代表のみんなへ。日本中が感動しています。あなたたちのおかげです。いちラグビーファンとして、感謝します。ありがとうございました。(スポーツ報知

沢木敬介(日本代表7cap)笑ってしまうほどの完勝

本当に強かった。スコットランドが弱かったとか、何か特別な条件に恵まれたとか、そういう勝利ではない。普通に戦い、普通に勝った。最後は迫られたが、ボーナスポイントのアドバンテージで危なげなく逃げ切った。見ていて、笑ってしまうほどの完勝だった。

今の選手は「インターナショナルで勝つために何が必要か」が分かっている。そして、勝つためのゲームプランを確実に遂行するスキルやフィジカル、フィットネスを持っている。何よりも大きいのは「勝者のマインド」があることだ。

かつての日本は「ティア1と対戦したい」だった。負けることを前提に「接戦すること」を目標にしていた。選手も、スタッフも、協会も、本気で勝とうと思っていなかったし、勝てるとも思っていなかった。

8年前、就任したエディーが最初に取り組んだのは「勝つ」という意識を選手に植え付けること。ティア1との試合を経験し、選手がスーパーラグビーに挑戦することで、意識は変わった。「ドメスティック」だった選手の考えが「インターナショナル」になった。

前回大会で南アフリカなどから3勝した。それまで7大会24戦で1勝だけだったから大躍進のように思われたが、選手やスタッフは「勝つこと」に驚きはなかった。「敗者のマインド」はエディーの4年間で「勝者のマインド」になった。

前回大会から4年、日本はさらに成長した。ジェイミーは最初、キック戦術を取り入れた。選手は戸惑ったが、コミュニケーションを重ねながら日本人に合った今のスタイルを作り上げた。

松島、福岡の両WTB、流、田中のSH陣は世界レベルに成長。世界に勝つ独自のスクラム文化も生まれた。

この1勝は、選手やスタッフだけではなく、日本ラグビー界が「勝者のマインド」を持つきっかけになるはず。

ティア1を連破して世界でも、国内でも、日本ラグビーの「ステータス」は間違いなく上がった。選手にとってのプレッシャーは大きくなるが、励みにもなる。ラグビー界の今後を考える上でも、大きな大きな1勝だった。(日刊スポーツ

今泉清(日本代表8cap)松島と福岡が脅威に

日本の攻撃は素晴らしかった。松島と福岡の両WTBはもちろんだが、攻撃プランを立てたトニー・ブラウン攻撃コーチに10点をあげたい。

パスで大きく左右に振り、今度は逆に振ることで相手のディフェンスを崩した。もちろん、そのプランを遂行した選手たちが素晴らしいのだけれど。

松島のトライは、福岡と2人並ぶことによって生まれた。普通なら左に福岡、右に松島で大きく開いているのだが、日本代表では並べて使うことがある。スピードがあり、ステップワークも巧みな2人が並ぶことは相手にとっても守りにくいし、脅威となる。

攻撃の切り札2枚を、最大限に生かした戦術。福岡を止めれば松島が、松島を止めれば福岡が来る。そこに意識を集中すれば、中をやられる。もちろん、安定したスクラムがあってのオプション。それができることが、今の日本の強みだ。(日刊スポーツ

伊藤鐘史(日本代表36cap)南アに勝機はある

しびれました。感動しました。アタックの前半にディフェンスの後半。2つ目と3つ目のトライにジェイミー・ジャパンのアタックが凝縮されていました

2つ目のトライはオフロードパスの連発でした。あの舞台ではボールキープを考えてしまうところですが、チャレンジできる勇気がすごい。数試合では得られない自信があるから挑戦できるのです。3年かけて積み重ねてきたからこそ大舞台で生きたのです。

3つ目の福岡のトライは、ラファエレの裏へのキックからでした。相手がフロントラインに視線を送ってくると見るや、裏に転がしました。そのバランスが絶妙でした。

福岡はベストパフォーマンスを出せる体が戻っていました。後半最初にボールを奪って駆け巡った場面といい、松島のトライにつなげたシーンといい、ワールドクラスのスピードを持った選手です。そして松島の速さも抜群でした。

ディフェンスでは全員が立つ意識を持っていました。タックルの後、すぐに次の仕事をしていました。足元ばかりではなく、しっかり肩を使い、ヒットできていたタックルに成長を感じました。

南アフリカ戦ですが今日のような質の高いプレーをしたら、アタックで付け入る隙はあります。勝機はあります。(デイリースポーツ

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