2019/9/20 日本代表vsロシア代表戦→元日本代表選手の評価・解説

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日本vロシア→元日本代表選手の評価・解説

坂田正彰(日本代表33cap)後半から出た選手がリズムを変えた

開幕戦という厳しい戦いで、日本はコミュニケーションを取りながら、自分たちのリズムで80分間、戦えた。通常の勝ち点に加え、ボーナスポイントが必要だと思っていたが、それも達成できた。何より、大きなけが人もなく、次に進むことができた。

ラインアウトで少しミスはあったが、セットプレーは安定していた。連続のラックを展開しながら、小さなパスをつなぎ、相手DFを崩していく。

自分たちのアタックができて、それが松島の最初の2本のトライにつながった。姫野はボールキャリアーとしての役割も理解していた。

ロシアのDFが厳しかった後半10~20分は守りの時間帯だったが、田中、松田、山中ら後半から出た選手たちがアタックのリズムを変えた。

松田はランニングスキルもあり、自分でスペースを作れる。スクラムの2人(中島、具)も良かった。ラスト20分は自分たちのやりたいラグビーができた。

修正点とすれば、南アフリカ戦でも指摘したように、キックの処理。ハイボールの対応がまだ十分ではない。キックオフから3つ失敗したが、落ちてくるボールを待ってから処理をしにいっている。

先にジャンプしてボールを捕っていくようでないと。また、攻撃面でも時間をかけてゆっくり仕掛けると厳しくなる。早めに動いてフェーズを重ねていくと、外にスペースができる。アイルランド戦でもこういう形になれば、今日のように点が取れるだろう。(スポーツ報知

砂村光信(元U23日本代表監督)ホームゲームの利点を生かしたい

プレッシャーがかかる開幕戦で勝ち点5が取れたのは良かった。前半に相手のキックオフやハイパントを確保できないミスが相次いだが、W杯用に増設された照明の影響で、ボールの軌道が見えていなかった。

前日練習が夜で照明をチェックできたロシアに対し、日本は午前中。本来ならホームゲームの利点を生かしたかったところだ。

流れを引き寄せたのはSH田中だ。後半28分の松島の3トライ目は田中が相手陣へ蹴った絶妙なキックから生まれたが、起点も田中が仕掛けたラインアウトでのクイックスローインで、冷静な判断が光った。

FWもバックスも動かせるSHでW杯3度目の出場となれば、コーチがピッチに1人いるようなもので非常に頼もしい。

田中以外にも田村との交代でSOを務めた松田、ピンチの場面でピッチに入って仕事をした中島と具の両プロップ、左足のキックが良かったFB山中と、選手交代がことごとく成功した。

特に代表でSOの経験が少なかった松田が上々のW杯デビューを飾り、田村に何かあっても穴を埋められると分かったことは大きい。(スポニチ

畠山健介(日本代表78cap)8強へ向けポジティブなスタート

私が選ぶMVPは、ウィング松島とフランカー・ラブスカフニの2人だ。

マツ(松島)の良さは、足が速いのはもちろん、激しいコンタクトを受けてもボールを失わずに走り切れるところだ。

特に前半最後の2トライ目は素晴らしかった。負けたまま折り返すのと、勝って後半を迎えるのとでは心理的にも大きく違うからだ。

マツとはサントリーでチームメートだった。とてもシャイでしゃべるのは得意じゃないが、仲がいいメンバーとワイワイしている普通の20代だ。内向きな性格でも、グラウンドではしっかりとハイパフォーマンスを出せる。そういう二面性が、彼の魅力でもある。

桐蔭学園を卒業後、日本の大学には進まず南アでプレーするなど、新しいキャリアの可能性も示してくれた。相手に捕まっても、倒れないで振り払うことができる体の強さは、背筋の強さが支えている。

南ア時代から鍛えていたそうで、サントリーでも、「背中を鍛えることがパワーにつながる」と話していた。

FWのMVP・ラブスカフニは、ディフェンスでの献身的なプレーが素晴らしかった。苦しい時間帯にもディフェンスでチームを鼓舞していて、頼もしかった。

開幕戦でボーナスポイントも含めた勝ち点5を取れたことは、8強へ向けポジティブなスタートとなった。シンプルなミスはあったが、メンタル的なことが原因で、場慣れすれば改善できる。

次のアイルランド戦は、どれだけ我慢して接戦をものにできるか。今日のラブスカフニのように、23人のメンバーが献身的なプレーをしてほしい。(スポーツ報知

今泉清(日本代表8cap)ラブスカフニのトライが勝利につながった

松島の3トライが目立ったが、実はラブスカフニのトライが素晴らしかった。相手からボールを奪い、1人で走りきって決めた。後半の立ち上がりで、試合の流れを決める上で大事な時間帯。ここで1本取れたことが、快勝につながった。

まず良かったのは、タックルで相手ボールを奪ったこと。相手を倒すことばかりに目がいきがちなタックルだが、本来の目的はボールを奪うこと。

それを忠実に実行した。さらに奪うだけで満足することなく、すぐに前を向いて走った。1人でやってくれるのだから、周りの選手は助かる。

ラグビーはトライを奪い合うゲーム。そのために、まず相手からボールを奪うことが必要になる。シンプルなことだが、それが意外とできない。ボールを奪って、そのボールをトライする。このトライには、ラグビーで大切なものが詰まっていた。(日刊スポーツ

伊藤鐘史(日本代表36cap)開幕戦の相手がロシアで良かった

開幕戦の相手がロシアで良かったです。緊張感や硬さが出てしまい、60分ぐらいまではどちらに転んでもおかしくなかった展開。もつれた中で、MVPを挙げるならラブスカフニと田中です。

ラブスカフニは後半、ターンオーバーから貴重なトライを奪いました。そして、日本のゴール前でのスクラムでは相手の反則を誘う献身的な働きをしました。

田中は最後のトライの場面で、クイックスローを入れました。そして裏のスペースを見て蹴ってもいました。高いレベルでの状況判断は、高い経験値がものを言っています。

松島はチャンスをしっかりトライにつなげました。しかし、それ以前のプレーに良さがありました。前半38分のトライにしても、タックルされながらもつないだ中村のオフロードパスに、練習で培ってきた成果が出ていました。

最後の20分でようやく日本代表らしい戦いができました。田中らリザーブが入って、状況判断ができるジャパンになりました。経験値の高い選手がリザーブに多かったから、先発陣にとっては心強かったはずです。

ただ課題は2つあります。6日の南アフリカ戦からハイパントキャッチが不安ですし、スクラムにおけるファウルで一気にピンチに陥りました。スクラムについては、日本代表の強みである低さを出していった方がいいです。

アイルランドはセットプレーで崩しにきます。そして、日本はキックキャッチで手こずっています。この2点を互角に持っていくこと。そして状況判断の速さ、的確さ、テンポの速いラグビーを心掛けることが、勝利へのポイントになります。(デイリー

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