2018/11/3日本代表vsNZ代表戦→元代表選手の評価・解説

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2018/11/3日本代表vsNZ代表戦→元代表選手の評価・解説

坂田正彰(元日本代表HO、33cap)

世界選抜戦の反省を生かして守備は修正できていた。前に出てプレッシャーをかければ、世界1位のNZも慌てていた。攻撃でも後半30分のトライのように、速いテンポでパスをつなぎ、守備の焦点を合わさせない攻撃は強み。選手の経験値、スキルは確実に上がっている。

ただエリア、スピードのコントロールは課題があった。状況判断の質は上げたい。ボール争奪戦でも押し込まれた。接点でのサポートが遅くて球を出せず、前半で3度ノット・リリース・ザ・ボール(タックルされた選手がボールを離さない)の反則を取られた。見える守備だけでなく、仲間を守るサポートも必要になる。

欧州のチームは強力なFWで押してきたり、モールなどで体力を消耗させて日本の強みを消してくるだろう。W杯で1次リーグ突破を考えると、アイルランド、スコットランドのどちらかは倒さなくてはいけない。似たタイプのイングランドに対し、どう戦えるかテストになる(スポーツ報知

菊谷崇(元日本代表主将、68cap)

キックの対応に差が出た試合だった。ニュージーランドは再獲得し、日本は奪われた。精度だけでなく、連係の差とも言えた。

前半28分、左サイドを突破したWTBナホロが、スペースがあったゴール前に浮き球を蹴った。オールブラックスは3人が追いかけたが、日本はSO田村1人だけだった。

CTBラウマペがつかんでトライするのだが、仮に田村が取っても数的不利から奪い返されていただろう。同じように裏を狙われてカバーできない場面が何度かあった。キックパスを含めてキックの使い方は両チーム似ていたが、キックに対する反応には違いが表れた。

攻撃は自信を持っていい。オールブラックスから5トライを取れるチームは世界にそういない。私は11年と13年に、ニュージーランドと対戦したが、当時とは明らかに違う。セットプレーをうまくできれば、次のイングランド戦は面白くなる(スポニチ

砂村光信(元日本代表)

オールブラックスの若手の方に必死さを感じた。ボールを目で追っている選手も多い日本に比べ、チャンスとピンチでは15人全員が走り、空いたスペースへ蹴られたボールは必ず先に押さえていた。 

日本と大きな差を感じたのはキックの使い方の意識だ。日本のキックはエリアを取ることがメインで、蹴った選手は蹴り合いに備えて後ろへ下がるが、ニュージーランドは蹴った選手が自ら取りにいき、局面を打開しようとする。そこからパスやサイド攻撃で相手ディフェンスを集め、空いた裏のスペースへ蹴って得点へつなげる、攻撃的なキックだ。

この日で言えば、ニュージーランドのバックスは日本よりも小さかった。それでも巧みにキックを使い、大きな相手選手の裏を攻めるような戦い方には学ぶべきところがある。

今季は世界的に、タックルした選手はすぐに相手を離すように指導されている。だが、この日の英国人レフェリーの解釈は異なっていた。日本は戸惑ったはずだが、どんなレフェリングにも試合中に対応することが必要だろう(スポニチ

沢木敬介(元日本代表7cap、現サントリーHC)

いい試合だった。オールブラックス相手に5トライは素晴らしいし、チームの自信になったはず。ラインアウトなどのセットプレーや陣形が整わない状態での守備、さらにターンオーバー後のプレー選択、キックの判断と精度など課題はあるが、今後に続くテストマッチの初戦として前向きに考えられる試合だった。

前半、オールブラックスは「らしくない」プレーが目立った。立ち上がりでチームの経験値の差が出たのだろう。日本の15人のキャップ数の合計は458、相手は178しかなかった。アウェーの独特な雰囲気の中で、相手は普段のプレーができなかった。逆に日本は15年W杯メンバーを中心によく動いた。特にWTB福岡は素晴らしかった。インターナショナルレベルにあることを見せてくれた。

大きかったのは、日本のクイックテンポが通用したこと。ラックの連取でゲインを切っていく「ゲインサクセス」は、オールブラックスの53に対して日本も53だった。ポゼッション(ボール保持率)、テリトリー(地域獲得率)は、ともに相手が53%で日本が47%。ほぼ互角といってもいい。今後が楽しみになる試合だった(日刊スポーツ

吉田義人(元日本代表30cap)

若手布陣のNZとの対戦だったが、前後半とも30点台の失点では番狂わせは難しい。明確な課題は反則と1対1のタックルミスを減らすことだ。

開始10分で反則数は5を数えた。立ち上がりで自分たちの流れをつかめず、主導権争いでは致命的。積極的に密集戦に挑んだ結果の反則もあったが、W杯で8強を狙うためにはしっかりプレーをコントロールする必要がある。

防御面では前半15分に、わずか3回のパスで右から左サイドにボールを振られて、簡単にトライを奪われた。日本は出足の鋭い防御を意識しているはずだが、最初にコンタクトする選手が1対1で確実にヒットしていなかった。2人がかりでタックルにいっても、最初の1対1を外されていては勢いを止めることができない。

一方、NZから5トライを奪ったのは、次のイングランド戦へ向けて収穫だ。後半30分のトライにつながったWTB福岡の快走は、強豪国にも通用する部分。反則も含めたミスを修正し、攻撃機会を増やすことで、イングランドを慌てさせるチャンスがみえてくる(サンスポ

ジェイミー・ジョセフHC

オールブラックスから5トライを取れたのは成長の証し。(前週の)世界選抜戦からスクラムは改善できた。強豪国に勝つためには、まだチームの強化が必要。

リーチマイケル主将

世界の厳しさがよくわかった。ささいなミスをしてもやられる。これからどうやって世界のチームに勝つか。新しい課題が出た(サンスポ

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