東芝がラグビー部運営の撤退を検討へ
東芝(東2:6502)が、ラグビー部の運営を撤退する方針に転換したと共同ニュースなど複数のメディアが報じた。
東芝は2015年に2,306億円の粉飾決算が発覚、さらにアメリカの原発事業で7,000億円もの巨額損失が発生し、2017年には経営危機に陥った(詳細はレッドカード寸前の東芝)
このピンチを大量リストラや、儲け頭のメディカル事業、メモリー事業の売却、大型増資などでなんとか逃れ、ガバナンス体制を刷新し現在は復活途上にある。
東芝はラグビー日本代表のスポンサーも務めており、ラグビー部は優勝5回の名門。
2018年11月の日本代表スコッドには東芝からはリーチマイケルら4名が選出されている。
現在の日本ラグビー協会会長は東芝の社長を務めた岡村正氏、強化委員長は東芝出身の薫田真広氏で、ラグビー界における東芝のプレゼンスは大きい。
ここ最近のトップリーグでの成績は2015年度は準優勝したものの、16年度→9位、17年度→6位で、今年度は9位以下が決定するなど低迷、新たな選手の獲得を削減したことなどが響いている。
株主の圧力とトップリーグの運営変更も影響か
日本の企業スポーツを運営する親会社はCSRや社員の一体感醸成などに価値を見出しているが、東芝の現在の大株主は海外の機関投資家が並ぶ。
彼らは経営の合理化と業績拡大を第一に求めるため、お金を生み出さない事業には理解を示さないことが多い。
そして、2019年にはラグビーW杯が開催されるためトップリーグ公式戦は開催せず、2020年1月にシーズンが開幕する変則スケジュールとなる。
翌年の2020年度からH&A、独立採算性の導入など、トップリーグが運営の見直しを検討していることも撤退を検討する理由になったと推測される。
気がかりなのは、ラグビーは所属選手は多いが試合数が少ないこと等により、他スポーツに比べコストがかかるため、運営を引き受ける企業があるかという点。
仮に撤退が決定したとしても受け皿となる企業が見つかり、トップリーグに新しい風もたらすようなチームになることを期待したい。