日本代表2018年6月テストマッチは2勝1敗で終了→元代表選手の評価

日本vジョージア

日本代表2018年6月テストマッチ→元代表選手の評価

日本代表は6月のテストマッチ3連戦を2勝1敗で終えた。

6月9日(土)◯日本 34-17 イタリア@大分
6月16日(土)×日本 22-25 イタリア@神戸
6月23日(土)◯日本 28-0 ジョージア@豊田

3戦全勝とはならなかったものの、ほぼ日本代表選手で構成されるスーパーラグビー「サンウルブズ」でのハイレベルな試合経験が代表強化に直結、来年W杯に向けて強化は順調との見方が多い。

いよいよ秋にはW杯連覇中のNZ代表、そして前日本代表HCのエディーが率いるイングランドと対戦する。3試合を終えて日本代表の秋のテストマッチへの期待も高まった。

ここでは、「元」日本代表選手による、3連戦を終えてのコメントをまとめてみた。

今泉清(元日本代表FB)

ジョージア相手にキッキングゲームで負けなかった。相手陣で試合を進め、ターンオーバーから2つのトライを決めた。相手はFWが強かったが、スクラムは押されなかったし、モールも止めていた。毎試合、課題を修正できているのがすばらしい。

メンバーはイタリア戦から変わったが、内容的には差がなかった。誰が出ても同じようにプレーできるのは、チーム力がついてきた証拠だ。代表初出場のフランカー西川もよかった。31歳だからこその価値あるプレーをみせた。FW3列の競争は激しくなりそうだ。

SO田村のキックが不調だったが、それでも勝ったことは大きい。これまでなら、ズルズルと負けてしまうところ。今の代表はキックがだめなら違う手で得点しようと切り替えられる。だからこそ、気持ちの面でも崩れることはなかった。

この3試合を通して、日本は成長した姿をみせた。サンウルブスが、代表強化に直結している。精神的にも「あきらめない」という気持ちを強く感じる。やはり、チームの時間が増えれば、1つになれる。スーパーラグビー終了後も代表チームを固定し、そのままトップリーグに参加できればさらに理解が深まり、戦術も共有できる。来年のW杯に向けて楽しみが増えたテストマッチ3連戦だった。(日刊スポーツ

坂田正彰(元日本代表HO)

日本の完封勝利は非常に評価できる。フィジカルの強いジョージア相手に当たり負けしていなかったし、ディフェンスラインの上がるスピードも速かった。相手を前で止めるんだという意識が伝わってきた。攻撃でも後半、ターンオーバーから速攻でトライを挙げるなど良さが出ていた。

気になった点もある。セットプレーは安定していたが、新しく入った選手がスクラムで早く組もうと焦り、反則をとられるなど、もったいない場面があった。控えFWの出場時間をもっと増やし、経験を積ませた方が良い。

SO田村は相手がFBの位置に2、3人いるときでも蹴っており、もっと下がらせてから蹴った方が有効だと感じた。前半はキック合戦になってしまった。

ジョージアは集中力がなく6割ぐらいの出来。日本はあと2、3本トライを取れていた。W杯本番を見すえて後半のような速くボールを動かすゲームを、前半からしてほしい。(報知スポーツ

吉田義人(元日本代表WTB)

日本の地力が上がったと評価できる。後半に奪った3トライのうち2本は、相手のハンドリングミスのボールを奪ってのもの。これもタックル力が上がっている証拠だ。SO田村の意図的なコンテストキック(競り合ってボール再獲得を狙うキック)の精度が高かったことも試合を通しての安定感につながった。

後半9分、27分のトライはLOファンデルヴァルト、NO・8姫野と、後半に投入された選手。初キャップを得たFL西川も接点でのボール奪取で貢献するなど、リザーブがチームにエネルギーを与えたことはW杯本番を考えれば大きい。逆にFW第1列に関しては、この3戦全てに先発した稲垣、堀江、具の3人と控えとの差を感じる。

HO庭井は交代早々のラインアウトで真っすぐ投入できず、PR石原の交代直後のスクラムでは反則をとられた。特にスクラムは試合に顕著に影響する。W杯まであと1年余り、PR、HOの控えの底上げは課題の一つだ。(サンスポ

箕内拓郎(元日本代表No.8)

スクラムが試合を決めた要因にはなりませんでした。それほどジャパンのスクラムが健闘して相手のペースに持ち込ませなかったのが大きな要因となりました。セットプレーで日本が崩れなかった。そこからのエリアの取り方です。キックの使い方がうまくいきました。ジョージアは攻撃の起点がカウンターアタックばかりになっていました。キックカウンターに対しても、プレッシャーを与えて展開させなかった。試合運びからして日本が優位に立てていました。

ゴール前のラインアウトでもジョージアはミスがあり、リズムに乗れなかった印象です。それもうまくプレッシャーをかけられていたから。雨もあったので、キックを多く使う展開になりましたが、それもジャパンのほうがうまく使えていました。

日本にもミスはありました。ただそれ以上に相手にプレッシャーをかけられたのは大きかった。がっぷり四つに組んでの心理戦でしたが、その中でしっかりと取り切れた。前半のペナルティゴール(PG)3つにしてもそう。全体的にプレッシャーをかけられていたし、ああいう形(9-0)で折り返せたのは大きかったですね。逆にジョージアは攻め手がなかった。安心して見ていられました。

強い相手にしっかりとスクラムが組めた。今は本当にいい状態にあります。(スクラムの成長は)コーチングプラス、サンウルブズの経験も大きい。その経験がいい形で出ています。4年前も十分にFWは強かったのですが、確実にジャパンの懐は深くなった。土俵を変えても勝ちきれるのが大きいです。

15人がしっかりディフェンスして、全員がハードワークできていた。インパクトで入った選手が躍動できたのも、前半から頑張っていた選手がいたからこそ。全員でしっかりと戦えたというところは大きいです。

イタリアの2戦目にように、お互いがプレッシャーをかけあうのがテストマッチ。いつも通りのことをしようとして、うまくいかなかった部分があった。イタリアの2戦目のように相手が死に物狂いで来た時にどう戦うのか。もちろん本番ではそういう状況が続く。見極めていく必要があります。

この3連戦で現時点でジャパンがどこにいるのかの確認できた。手応えをつかめる内容だったと思います。現状すごいいい位置にいるのかと思いますが、イタリアの2戦目のようなもろさが出てくることもあります。受けに回ってしまうような試合は、本来絶対あってはいけないこと。収穫が大きかったからこそ、課題も見直しながら進んでいって欲しいです。(THE ANSWER

沢木敬介(元日本代表SO、サントリーHC)

勝因はフィジカルの強さを武器にするジョージアに対し、FW戦で互角に戦えたこと。もしフィジカルバトルで負けていれば、さらにそこを突かれたはずだ。勝てないとみた相手が展開して、ミスで自滅した。

ボールロストは日本の9回に対し、ジョージアは18回。雨の影響もあったが、数字以上にエラーの数は多かった。日本は、あと2、3トライはとれた。強豪国は別だが、欧州の中堅国に勝つにはフィジカル勝負を避けること。ジョージア戦は、来年のW杯で対戦するロシア戦でも生きる。

テストマッチ3連戦を通じて、試合をコントロールできる時間は増えた。課題は、レフェリーも含めてゲームへの対応力。W杯に向けてもっと戦い方をシミュレーションしながら、準備を進めることが重要だ。

W杯まで1年3カ月、これからは戦略を練ることが必要になる。キックを使うのはいいが、ボールを持つ時間がなければ勝てない。どの時間帯でボールを持つかを決めるのも戦略。持った方がいい相手もいれば、持たない方がいい相手もいる。まずは、相手の分析から始めないといけない。

11月のテストマッチも、W杯への準備。大会が近いだけに、情報戦もカギになる。どこまで隠すのか、何を見せるのか。(コーチとして参加した)15年W杯前の準備試合は、戦術を絞って戦った。本番から逆算してどう戦うか、これもテストマッチでは重要になる。(日刊スポーツ

ジェイミー・ジョセフ日本代表HC

昨年からの成長が著しい。6月の健闘をみて非常に誇りに思う。選手の努力を褒めたたえたい。

(試合前に選手が主体となって戦術を確認している点について)大人の男として、勝つためには何が必要かを確認していた。選手自ら意思統一することは特別なこと。本当に素晴らしい。

ミルトン・ヘイグジョージア代表監督

日本はこの2年で大きな成長を遂げている。スーパーラグビーの経験が生きている。

試合では日本からのプレッシャーを受けて、自分たちの力を出すことが出来なかった。前半は反則も多く、後半は修正したが、時間がかかってしまった。日本におめでとうと言いたい。

HO堀江翔太

(収穫は)スクラムじゃないですか?彼らの一番強い部分を抑えられたのが大きい。

書いといてください。『ジャパン半端ない』って。『めっちゃプレッシャーかけるやん』って。『そんなん普通できひん』って。

2018年6月各国ラグビー代表戦(テストマッチ)の日程と結果

2018.06.04