関東大学対抗戦2016 早稲田大学vs明治大学
12月4日(日)秩父宮ラグビー場で大学ラグビー伝統の一戦、早稲田大学vs明治大学の試合が行われた。
関東大学対抗戦は既に帝京大学が7戦全勝で優勝を決めており、早稲田と明治は共に5勝1敗でこの試合に勝利すれば2位となり、大学選手権での組み合わせも有利となる重要な試合。
早明戦は今年で92回目の対戦。大学ラグビーの大トリでもある両校の試合はこれまでも熱戦が繰り広げられてきたが、今年も最後まで勝敗が分からない競った展開に。
この日は12月とは思えないポカポカ陽気。秩父宮に満員の観客が詰め掛けた中、試合開始のホイッスルが鳴った。
明治のキックオフで試合スタート!

両校の校歌斉唱の後、14時に明治ボールで試合開始。
明治が早稲田ゴールに迫る


試合が始まると明治がアタックを継続、早稲田陣内に攻め入った。
明治がペナルティー、早稲田ピンチを逃れる

早稲田ゴール目前まで攻めた明治はペナルティーを犯し、トライを取りきれず。一方、早稲田はピンチを逃れた。
前半9分、明治大学が先制トライ!

試合開始直後からボールをキープし主導権を握った明治。前半9分にFL6井上遼がトライを決め先制した。SO堀米航平のゴールキックも決まり明治が7-0。
明治がPGを追加、10-0とリード

さらに明治は前半19分にPGを決めて10-0とリードした。
秩父宮の観客とテレビの前の視聴者が試合に釘付け

毎年12月第1週の日曜日に行われる早明戦。テレビではNHKで生放送、観客もこの通りぴっしり。
ラインアウトの攻防

明治はLO4尾上俊光(190cm/89kg)、早稲田はキャプテンのLO5桑野詠真(191cm/106kg)が中心。
早稲田が反撃開始

試合は徐々に早稲田ペースとなり、明治陣内でのプレーが続いた。
前半25分、早稲田がトライ!

早稲田はWTB14本田宗詩が角度よく走り込んで、相手を抜き去りトライ!1年生SH齋藤直人のゴールも決まり明治に10-7と迫った。
前半は10-10の同点で折り返し

早稲田は33分にPGを追加し、両チーム1トライ、1ゴール、1PGで10-10の同点で前半を終えた。試合内容は互角、両チーム気合の入った見応えのある展開に。
秩父宮ラグビー場はほぼ満員

秩父宮の収容人数は2.5万人。この日は2万1,916人が詰めかけ、バックスタンドもこの通り後方まで埋まった。ハーフタイム時には両校のチアガールがアクロバティックな演技で盛り上げた。
後半スタート

後半がスタートすると早稲田がボールをキープ。スクラムは早稲田が優勢で、ペナルティーを得る場面が何度も。
後半7分、早稲田がペナルティートライで逆転

明治ゴール前のスクラムで、明治FWがスクラムを崩す反則(コラプシング)を繰り返す。最終的に平林泰三レフリーは早稲田にペナルティートライを与え、早稲田が17-10と逆転。
明治はシンビンで1人少ない状況に

スクラムを崩したことから、明治はPR久原綾真がシンビンとなり一時退場に。
後半16分、明治がゴール下にトライを決め同点に

明治は早稲田ゴール前に迫るとFWがラックサイドを縦に付いて徐々にゲイン。最後はHO佐藤公彦がトライを決めて17-17の同点となった。
後半22分、明治が連続トライで逆転!

明治はモールでゲインして、パスを受けたCTB梶村祐介が右から左へ走り込んで大外にパス、キャプテンのFL桶谷宗汰がタックルを受けながらもトライを決め22-17と逆転した。
残り10分、逆転を狙って迫る早稲田

この日、ラインアウトで明治にスティールされる場面があったものの、残り時間僅かの重要な局面ではしっかりキャッチ。
後半32分、早稲田のミライモンスター中野将伍がトライを決め逆転!

後半32分、明治DFの間を抜いてゴールに迫るCTB中野将伍。

中野がそのままボールをインゴールに持ち込んでトライ、早稲田が24-22と逆転した。
ミライモンスターとはフジテレビが将来有望なアスリートを取りあげる番組で、早明戦の数時間前に中野将伍に密着した番組が放送された。
最後の最後で早稲田ゴールに迫る明治

後半40分、早稲田はFWがラックサイドを付いて時間を使ったプレーをするも、ボールの上に覆いかぶさるシーリングオフの反則。明治はすぐに仕掛けて、早稲田ゴールまであと僅かという所まで迫ったものの、最後は無情にも反則でノーサイド。
早稲田が24-22で明治に勝利!

92回目の早明戦は24-22で早稲田が勝利し、通算成績を53勝37敗2分とした。試合は逆転に次ぐ逆転で非常に見応えのある展開に。明治はスクラムで苦戦し、ペナルティートライを獲られたのが痛かった。
関東大学対抗戦は1位帝京、2位早稲田、3位明治となり、大学選手権では早稲田がシード校で準々決勝から、明治は12月11日の3回戦で京都産業大学と対戦する。両チーム共にトーナメントを勝ち上がると、1月2日の準決勝で再度対戦となる。
大学の各リーグ戦が終わり、次の舞台は大学選手権に。帝京大学の8連覇達成なるか、もしくは帝京一強時代に終止符を打つチームが登場するのか注目したい。