ラグビー日本代表の選手になることは、どれほど凄いこと?
日本代表の選手は言うまでもなく、日本ラグビー界の中の最も優れた選手で多くのちびっ子ラガーマンの憧れの存在でもある。
いつかは桜のジャージを着て、W杯の舞台に立ちたいと思っている子供も多いはずだ。
ワールドラグビーのレポートによると2015年の日本のラグビー競技人口は11.5万人。
日本代表選手はこの11.5万人の代表ともいえる。
これをトップリーグに置き換えると、トップリーグには各チーム50名ほどの選手が所属しており、日本代表資格のない外国籍選手は5名ほど。
つまり、45名×16チーム=720名からポジション毎に選抜した上位32名、割合で表すと4%の選手が日本代表のスコッドとして選ばれる計算になる。
この計算式の分母をトップリーグ傘下のトップウェストやイースト、大学生も含めると代表選手の割合はさらに少なくなる。
そもそも、トップリーグの選手になることがかなり狭き門であるため、日本代表の選手になることがどれほど難しいことであるか数字から見て取れる。
高校日本代表の「怪物」も日本代表にはなれなかった
高校時代、菅平(長野の合宿地)で経験した衝撃は今でも忘れることができない。
WTBで高校日本代表に選出された選手がいるチームと対戦した時の事。
彼がボールを持つとそれまで見た事がない速さでグランドを駆け巡り、スピードを落とすことなく人間技とは思えない程の急角度なステップを切って、こちらはタックルをするどころか、触る事すらできずにトライを許す始末。
同世代でこんな「怪物」がいるのかと、やはり高校日本代表に選ばれる選手は違うなと感動すら覚えたほどだ。
その怪物君は花園や大学でも活躍。
トップリーグに入ったまでは順調だったが、残念ながらトップリーグでは思うような活躍ができていない。
隣の県の185cm、120kgの「横綱」と呼ばれたPRの選手も凄かった。
スクラムは彼1人とこちらのFW8人で組むようなイメージ。
高校生離れした体格で、相撲部屋からスカウトされるほどだったが、大学入学後は彼の活躍を耳にすることはなかった。
ラグビー経験者であれば似たような経験をしたことがあるはずだ。
高校や大学時代に圧倒的な活躍を見せても、より高いレベルでは通用しなかったり、怪我に泣いたり、指導者や組織に馴染めずラグビーを辞めてしまうといったことが起こりうる。
だらかこそ、日本代表に登りつめた選手はどれだけ凄いのかと常々思う。生まれ持った身体能力、自身の努力だけでなく、指導者、チームメイトとの巡り合わせ、怪我をしない強い体、それに運も味方しての結果とも言えるかもしれない。
日本代表に選ばれても、それで終わりとなる訳ではなく、試合・遠征続きのハードなスケジュールや代表として大きなプレッシャーや責任感とも戦っている。
日本代表の選手になってからの方が大変だ。
そんな日本代表の選手達に敬意を表し、これからも応援していきたい。