トップリーグの開催は「秩父宮・花園」、「2019年W杯会場」、「ホーム」に限定すべきだ

スクラム

トップリーグの公式戦は「観客動員」をより重視すべき

昨年のW杯後、国内でラグビー熱が高まった際、選手からは次々に「この人気を継続させ、ラグビーを文化として根付かせなければならない」というような言葉をよく耳にした。

しかし、あの熱狂から1年たった今、文化になるどころか、トップリーグの観客動員数でW杯前である2年前を下回る水準で低迷するなど、人気・注目度ともに大きく減少している。

他のスポーツだとプロ野球が2年連続で観客動員を更新、大相撲も満員御礼が続き、始まったばかりとはいえBリーグもスタートダッシュに成功し多くの観客を引き付けている。

W杯の追い風があったにもかかわらず、ラグビーの低迷が目立っている。

トップリーグの観客動員の苦戦は6月に行われたテストマッチで予想がついていた。日本vsスコットランド第2戦は2019年W杯の開幕戦が行われる東京の味スタで開催、相手は強豪国、しかも天覧試合だった。

しかし、味スタの収容人数50,000人対し、観客数は34,073人と68%しか埋まらずスタジアムの上部には空席が目立った。

ラグビー人気を高めるための特効薬はなく、まずは日本ラグビーの核であるトップリーグに力を入れる他ない。

観客動員が低迷している理由としては、チケット料金の値上げ、依然として人気・知名度の高い五郎丸の不在、無料招待券の削減など多くあるが、まずは試合を開催する場所を再考すべきだ。

2016年トップリーグ会場毎の観客動員(第9節まで)

試合会場 平均観客数 備考
秩父宮・花園  6,680人   
2019年W杯会場  6,463人  うますた、レベスタ、日産、大分 
ホーム  4,323人  チームの本拠地がある都道府県での開催。秩父宮・花園除く 
その他の会場  2,654人   

2016年第9節までの試合会場ごとの平均は上記の通り。秩父宮と花園はラグビーの聖地でアクセスもいいことから当然観客動員も多く、全試合平均である「4,598人」を上回る6,680人となっている。

また、2019年のW杯試合会場となる自治体は本番に向けて熱量が高く、中高生を無料招待したり、様々なイベントを開催したりした結果、秩父宮・花園と人数では変わらず健闘(特に横浜、大分)。

各チームのホーム(本拠地)開催はほぼ平均と同じ数値となったが、ヤマハスタジアム3試合では平均で5,500人を集めた一方、キヤノンの本拠地町田では2試合平均で1,925人と散々な結果に。しかも相手はパナソニックとヤマハという強豪チームだった。

ホーム開催はチームによって集客力にだいぶ差が出る結果に。ホームでの開催については、チームがより主体的に、責任を持って開催すべきで、ホームで集客に苦戦したチームは深刻に受け止めて改善策を図る必要がある。

トップリーグ地方開催の問題点

トップリーグは今シーズン、2019年W杯の開催に向けた全国的なプロモーションの一環として地方開催を増やしているが、その結果は表の「その他の会場」の通りで平均観客数はわずか2,654人。

地方開催は選手や運営サイド、観客にとってもデメリットが多い。両チームの選手は飛行機や電車での移動が必要でコストも時間もかかる。しかも陸上競技場での開催が多くて観客が少ないことから閑散とした中で試合をしなければならない。

場所によってはTMOのプレーを確認する大型スクリーンや設備がないため、TMO確認中に観客は待ちぼうけを食らったりと設備が不足しているケースも。

地方開催についてはその地域のラグビー協会の主催となるが、経費等は日本ラグビー協会が負担、入場料収入も一定の割合で日本協会から支払われる仕組み。つまり開催地の協会は持ち出しがなく、観客を集めればその分利益を得ることができる。

ボランティアで働いている方には頭が下がる思いで、年に1回の開催を楽しみにしているラグビーファンからすると地方切り捨てとなるかもしれないが、2,000人しか観客を集めることができないのは選手に対し敬意に欠けているとも言える。

野球やサッカーの開催は基本ホーム&アウエーのみ、大相撲は東京、名古屋、大阪、福岡のみで、巡業で地方を回っている。

ラグビーもトップリーグの公式戦は「秩父宮・花園」、「2019年W杯会場」、「ホーム」の3パターンのみとし、地方開催はプレマッチ(オープン戦)で開催すればよい。

プレマッチであれば、大相撲の巡業のようにファンサービスや選手が参加するイベントも開催しやすく、密度の濃いプロモーションができるだろう。

都市部でスタジアムが確保しづらいことも地方開催の要因となっているようだが、秩父宮や花園では大学やトップリーグ傘下の試合も行われており、観客数が少ない試合については別の会場で試合をするなどすれば、やりくりできるはずだ。

ここで選手の意見を紹介したい。投稿日は2年前と古いが今やラグビー界で最も有名な選手となっている五郎丸のツイート。まさに、この通り。「どっちつかず」をやめて2017年シーズンは開催地を再考してほしい。

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