エディー・ジョーンズの「日本ラグビー強化」のための4つの提言

エディー・ジョーンズ

エディー・ジョーンズの日本ラグビー強化のための提言

エディー・ジョーンズは2015年W杯で日本代表を率いて南アフリカなど破るなど3勝を挙げ、その経験と実績が認められラグビーの母国イングランドのHCへ就任した。

すると早速シックス・ネーションズで13年ぶりのグランドスラム(全勝優勝)を達成するなど、今やラグビー界の世界的な名将としての確固たる立場を築いている。

そのエディーが4月に来日した際に収録したJスポによるインタビューから、エディーが提唱する日本のラグビーを強くするためのポイントを抜粋してご紹介したい。

エディーの提言1:大学生のトップ選手20人を選抜し育てる環境を

イングランドやNZでは日本の大学生に相当する20歳前後の選手が既にクラブや代表チームで活躍している。日本のように大学を卒業し、22歳からトップリーグなど高いレベルでプレーを始めるのでは遅過ぎる。

そのため、例えば大学生から有望な選手を20人ほど選抜し、トップリーグなどでプレーをさせる必要があるとしている。

確かにスーパーラグビーを見ていると20歳前後の選手が既にレギュラーとして活躍していることが多く、強豪国のNZやオーストラリアでさえ次の世代の若い選手が出てきているのに、日本では学生チームの中での活動に留まっている。

日本は大学ラグビーを中心に発展してきた歴史があり、さらにトップリーグと大学のリーグ戦は時期が重なっており調整は難しいが、代表強化のためには若い選手をより高いレベルでプレーさせる機会を設けるべきだ。

エディーの提言2:トップリーグの16チームは多すぎる、10チーム程度に削減を

日本のトップリーグのレベルが低い要因はチーム数が多すぎるためで、10チーム程度に減らして競争力を上げる必要があるとしている。イングランドのプレミアシップは12チームとのこと。

確かに競技人口が多くプレーヤー数が9人と少ない野球ですらプロチームは12チームで、トップリーグは上位と下位チームの対戦で大差がつくこともあり、10チームとはいわないまでも12〜14程度には減らす必要があるだろう。

さらにトップリーグの下部の組織も地域ごとに編成されて分かりづらいので、トップリーグを頂点に、セカンドリーグ、サードリーグとするなどして、Jリーグを参考にすべきではないか。

エディーの提言3:サンウルブズの主要ポジションには日本人を起用すべき

サンウルブウズは外国人主体のチームとなっているのが大きな問題だ。主要ポジションである、少なくともHO、No.8、SH、SO、FBは全員日本人にすべき。

選手のリクルートや組織運営にも問題があるが、単なる寄せ集めで、日本のラグビーを強くするという本来の目的を失っているとしている。

スーパーラグビー参戦初年度は他のチームと勝負するためにも、外国人選手の力を借りる以外に選択肢はなかっただろう。カーク、ピシ、フィルヨーン、デュルタロなどがいなかったらどうなっていたか、想像するだけでもゾッとする。

日本人選手の育成も必要だが、まず戦える集団でないと大敗続きでスーパーラグビーに留まることができないなんてことも起こり得る。

来年以降は徐々にリクルート面でも日本代表の資格のある選手を増やすとして、最低でも勝負できるチームであることが何よりも重要だと思う。

エディーの提言4:スーパーラグビーはたまに出るだけでは意味がない

これは海外のチームでプレーしている2015年W杯の日本代表選手に対しての発言。海外組でレギュラーとして出続けているのは、リーチ(チーフス)、ツイ(レッズ)、マフィ(バース)の3人だけ。

他のメンバーに目を向けると、山下(チーフス)は先発したのは数試合、五郎丸(レッズ)はここのところ出場しても後半の10分程度のみ、マレ・サウ(ブルーズ)はシーズン序盤は先発していたが最近はメンバー外、田中史朗(ハイランダーズ)は怪我の影響もあり今シーズンは1試合のみの出場、松島(レベルズ)も途中出場、畠山(ニューカッスル)も途中出場が続き、出場時間が限られているのが現状。

エディーはこれらの選手はサンウルブズでプレーすべきとしている。選手にはエディーのこの発言が耳に届いているはずで、来シーズンはどうするのか注目したい。

時折、ペンで図を描きながら説明するエディー。ラグビーに対する情熱は相変わらずで、日本がさらに強くなってほしいと思うからこそ、次々と提言がでてきた。その内容はラグビーファンであれば誰しもが思うことでよくメディアでも目にする正論ばかり。

しかし実現するためにはお金や利害などが絡んで調整するのが難しいのが現状。大学の有望な選手をトップリーグでプレーさせるのには所属している大学が難色を示すだろうし、トップリーグのチーム削減は下位チームは反対するだろう。

しかし改革をするためには、ラグビーが盛り上がっていて、2019年日本開催のW杯前である今が一番のチャンスではないだろうか。これらのエディーの提言がどうなるか、注目していきたい。