エディー・ジョーンズ、サンウルブズに対し苦言
2015年W杯で日本代表を率いて3勝を挙げ、シックス・ネーションズではイングランドを全勝優勝に導き、世界で最も注目されるラグビーの指導者となったエディー・ジョーンズ。
エディーの発言は日本やイギリスだけでなく、オーストラリア、南アフリカ、NZのメディアでも大きく扱われることが多い。
世界のラグビー界のご意見番ともなりつつあるエディーの最近の発言を紹介したい。
サンウルブズは「ひどい状態だ」
元々サンウルブズと日本代表HCを兼任するプランもあったエディー。
今もサンウルブズの試合は全試合観ているという。
サンウルブズのこれまでの戦いを「彼らはひどい状態だ。試合に負けても健闘したと喜んでいる。古い日本ラグビーに戻ってしまった」と酷評した。
サンウルブズがスーパーラグビーに参戦するにあたり、苦戦するのは分かっていたこと。
負けても接戦の試合は善戦したと評価する声も多い。
これでは甘く 、勝たなければダメだということのようだ。
さらに「立ち上げ時にプロフェッショナルな人材が不在で方向性を間違えた。だからチームが弱い」と指摘。
勝てない理由として、サンウルブズを運営しているジャパンエスアールやラグビー日本協会にも原因があると苦言を呈した。
スーパーラグビーの試合は眠くなる
スーパーラグビー(SR)については「2016年から3チーム増やしたことで魅力が薄れSRの平均レベルを押し下げた」とし、「SRの試合は眠くなりそうな試合ばかりだ」と述べた。
SRのレベルが相対的に下がったことは否めないが、サンウルブズは初年度の苦しみを経たうえでこれからチームがレベルアップすることを期待するしかない。
気になるのは「世界最高峰のプロラグビーリーグ」の割にはどの試合会場も観客がガラガラの点。
スーパーラグビーの観客動員数やTV視聴者数は右肩下がりだという。
ひょっとしたらファンも試合がつまらないと感じているのかもしれない。
人気拡大も期待して?チームを増やしたが、今の所は改善しているようには思えない。
イングランド代表選手に対し「態度を改めない限りツアーには連れて行かない」
イングランド代表は6月にアウェイでオーストラリア代表とのテストマッチを控えている。
エディーは代表選手のクラブでのプレーに対して「4、5人のプレーには満足していない。態度を改めない限り、彼らをツアーには連れて行かない。才能ではない。態度だ」と不満を募らせた。
「オーストラリア代表で指揮を執っていた2004年に、イングランドから51得点を奪った。われわれは彼らが夜にパブで酒を飲んでいたことを知っていたからだ。」とも発言、イングランド代表選手の引き締めも忘れることはなかった。
これらの発言を聞いているエディーは勝つために選手にハードワークと勝利への姿勢を求め、負けることを一切許さない、いい意味での勝利至上主義者であることがよく分かる。
一方、サンウルブズのマーク・ハメットHCはチーターズに92点を取られて大敗した後も「標高が高い(1,400m)会場での試合は先手を取らないと点差をつけられる。新規参入のチームでこういう試合も覚悟はしていた。非常にいい教訓になった」と述べた。
教訓になったのは分かるが92点は流石に取られすぎだ。
ハメットはだいぶマイルドな指導者で、これまで選手に対して厳しい発言を聞いたことはない。
指導方法も選手の自主性を重んじるようで、このような指導方法がどういう結果をもたらすか注目していきたい。