イングランド、スコットランド、ウェールズ代表のラグビー、サッカーW杯や五輪の出場について

イギリス

イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの代表チームについて

イギリス、英国、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド、アイルランド、UK・・・・。よく聞くこれらの国の関係性を正しく説明できる方はかなりの地理通、ヨーロッパ通といっていいだろう。

イギリスを一つの国として考えている人も多いが、独自性の強い地域が複雑な歴史を経て今日に至り、各地域が独立こそしていないものの国として首都や行政機関を持ち、スポーツにおいても国代表として出場することがある。

2014年にはスコットランドにおいてイギリスからの独立投票が行われ反対票が上回ったが、賛成票が44%となるなど拮抗した結果となり、今もなおアイデンティティーと変革を求めるのか、またはイギリス内での安定を望むのかで揺れている。

ここでは、これらの地域(国)の関係性とサッカー、ラグビー、オリンピックの代表チームとしての活動の際にどのようなチームが結成されるのか?ということについて分かりやすく纏めてみた。

「イギリス」を構成する4カ国と「アイルランド」

イングランド

地理的には上表のように「グレートブリテン島」にイングランド、スコットランド、ウェールズの3つの国があり、「アイルランド島」にアイルランドと北アイルランドの2つの国がある。

イギリスは、正式名称「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国」という名の通り、グレートブリテン島の3つの国(イングランド、スコットランド、ウェールズ)と北アイルランドの4カ国から成る連合国だ。

なおイギリスを英語で表すと「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」となり、その略称である「UK」と言えばイギリスのことを表している。つまり、イギリス=英国=UKということになる。

なお、「アイルランド」はEUに加盟している単独国家で、イギリスの「北アイルランド」とは完全に別の国だ。これらをまとめたのが以下の表となる。

イギリス4カ国とアイルランドの人口、通貨等

国名 首都 人口 面積 通貨 所属
イングランド ロンドン  5,300万人  130,400km²  ポンド  イギリス
※EU離脱
スコットランド  エディンバラ  530万人  80,080km² 
ウェールズ  カーディフ  300万人  20,760km² 
北アイルランド  ベルファスト 180万人  14,130km²
アイルランド  ダブリン 460万人  70,270km²  ユーロ  EU

この表の通り、イギリスを構成する4カ国の中で「イングランド」が人口も経済規模も圧倒的に大きく、ロンドンへの富の集中や様々な利権がイギリス政府に牛耳られることへの不満からスコットランドでは独立運動へと発展した。

サッカーは各国(地域)が代表チームを結成

サッカーの場合、

・イングランド
・スコットランド
・ウェールズ
・北アイルランド

がそれぞれで代表チームを結成し、W杯などの国際大会に出場する。これは、FIFA(国際サッカー連盟)がイギリスの4協会(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)を別々に認めているためだ。

当然、アイルランドも単独の国であるため、アイルランド代表として活動を行う。

ラグビーの場合、北アイルランドは「アイルランド代表」としてプレー

ラグビーの場合は、

・イングランド
・スコットランド
・ウェールズ

の3カ国が単独で代表チームを結成、北アイルランドはアイルランドと合同で「アイルランド代表」チームを結成する。ラグビーにおいては、国を通り越して、「アイルランド島」で単独の代表のチームが作られる。

なお4年に一度結成されNZ等南半球に遠征する「ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」はこれらすべての国、(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド、アイルランド)の全ての国の選手から構成されたチームで、「ライオンズ」とも呼ばれている。

オリンピックはイギリス代表で参加

オリンピックへは、IOC(国際オリンピック委員会)が主権国家単位でしか参加を認めていないため、各競技者・団体は「イギリス代表」として4カ国の代表が参加する。

サッカーにおいてもロンドン五輪では4カ国による「イギリス代表」が結成されたものの、次のリオ五輪の時には4カ国のサッカー協会の話がまとまらず、サッカーはオリンピックへ出場するための予選には参加しなかった。

なお、リオ五輪から初採用となった7人制ラグビーは男女共に4カ国による「イギリス代表」を結成、男子は銀メダル、女子は4位に輝いている。

サッカーとラグビーのW杯は「(地域の)協会単位」、オリンピックは「主権国家単位」での参加となるが、サッカーの4協会は独自性が強く、歴史的な背景があり簡単にイギリス代表を結成するという訳にはいかないようだ。

ロンドン五輪の際に奇跡的に結成されたサッカーのイギリス代表チームだが、スコットランドやウェールズ出身の選手は試合前の国歌斉唱時にイギリス国歌を歌う事を拒否して物議を醸した事も。

東京オリンピックではサッカーのイギリス代表が再結成されるとの報道もあるが、これもどうなる事やら?だ。

このようにイギリスを構成する4カ国は元々別の国で、ウェールズやスコットランドはイングランドから侵略され支配されたという歴史があり、北アイルランドも独立派と残留派の住民による対立が続いている。

「イギリス代表」を結成するにあたり一筋縄ではいかないこのような背景が今もなお存在している。