【観戦記】日本ラグビー選手権2015決勝 パナソニック対帝京大学

日本選手権

1960年に始まったラグビー日本一のチームを決める日本ラグビーフットボール選手権大会。1月31日(日)に第53回大会が秩父宮で開催された。

今大会は2015年W杯と2月からスーパーラグビーが始まることから、トップリーグ王者のパナソニックと大学王者の帝京大学の一発勝負の戦いとなった。

パナソニックは学生といえども大学選手権7連覇を達成し、昨年はNECを破った帝京相手に本気の布陣で臨んだ。一方の帝京大学は打倒トップリーグを目標に掲げてきた成果を最後の舞台で出せるか、注目の中ホイッスルが鳴った。

第53回日本ラグビーフットボール選手権大会 パナソニック対帝京大学

パナソニックボールでkick off

パナソニックボール

14時パナソニックボールでキックオフ。天気は曇りで微風、温度は高めで絶好のラグビーコンディション。

NHKで生中継されるから?それともパナソニックの優位が固いから?か、観客の入りは半分程度。秩父宮の芝生は今シーズンの熱戦を物語るかのように、中央部分は禿げて砂地のように。

前半1分パナソニックがノーホイッスルトライ

北川智規

バーンズが蹴ったキックオフのボールをパナソニックが確保し、何度かフェーズを重ねて最後はFB北川智規がトライ。キックオフからわずか1分、パナソニックがパスをつないでノーホイッスルトライで先制。

ベリック・バーンズのキックはこの日も安定

panasonic2

トップリーグでベストフィフティーンにも選ばれたSOベリック・バーンズ。トライ後のコンバージョンキックでは、この位置からも決めて当然と言わんばかりに成功。

ヒーナンダニエルがボールを確保

ヒーナンダニエル

こちらもベストフィフティーンにも選ばれたLOヒーナンダニエル。帝京キックのボールをしっかり確保。身長196cm、体重112kg、オーストラリア代表にも選ばれたことがあり、2007年の三洋時代から在籍、今やパナソニックでも古株に。日本国籍も取得している。

前半5分、児玉健太郎のトライでリードを広げる

児玉健太郎

緊張しているのか帝京は立ち上がりに本来の鋭く組織的なディフエンスが機能せず、パナソニックに立て続けにトライを許した。トライ後のゴールも決まりパナソニックが14-0とリード。

パナソニックSH先発は内田啓介

内田啓介

この日のパナソニックのSHは内田啓介が先発。正SHの田中史朗は来月からのハイランダーズでプレーすることからリザーブで準備。

田中史朗とJP・ピーターセン

JP

幸先のいいスタートに笑顔な田中史朗と南アフリカ代表JP・ピーターセン。JP・ピーターセンもこの日はリザーブ。ピーターセンはイングランドのレスタータイガースへ移籍することが決まっており、この試合がパナソニックでの出場が最後となる。

スクラムはパナソニックが帝京を圧倒

日本選手権

重さは互角なものの、スクラムの強さは日本代表のHO堀江とPR稲垣が第一列にいるパナソニックが圧倒。帝京はこの試合、スクラムでは終始押されることに。

帝京が松田力也のPGで3点を返す

松田力也

パナソニックに立て続けにトライを取られた後に、帝京はようやくパナソニック陣内に攻める場面も。パナソニックの反則からPGのチャンスを得てSO松田力也がしっかり決めた。

観客を沸かせる帝京WTB尾崎晟也

尾崎晟也

帝京で目立ったのはWTB尾崎晟也。パナソニックデフェンスをかわして大きくゲインするシーンが何度もあった。すぐにでもトップリーグで活躍できるのではと思わせる速くて切れのある走りが印象的だった。まだ2年生。

帝京はチャンスをなかなか活かせず

ヒーナンダニエル

前半の中盤あたりから帝京は地に足がついてきて、パナソニック陣内に攻め入るものの、あと一歩でトライを奪えず。

パナソニック山田章仁のトライ

山田章仁

前半33分にパナソニックはFW・BK一体となった攻撃から最後はWTB山田章仁がトライ。帝京を突き放した。

前半は21-3でパナソニックリードで折り返し

前半終了

帝京は前半トライを奪うことができず、3トライ&3ゴールを決めたパナソニックが21-3とリード。帝京はパナソニックデフェンスの圧力を受けて、あと一歩のところでのハンドリングエラーやラインアウトでのマイボール確保に苦しんだのが痛かった。まずはセットプレーを安定させて、後半追い上げたいところ。

ハーフタイムではサンウルブズHCマーク・ハメットが挨拶

マーク・ハメット

マーク・ハメットは「2019年W杯で成果をあげるためにはスーパーラグビーでの試合が重要。サンウルブズの初戦である2月27日の開幕戦対ライオンズ戦もぜひ応援してください。」と挨拶。

後半スタート

内田啓介

後半がスタートすると、前半同様にパナソニックが開始と同時に帝京ゴールへ迫る。

後半1分に内田啓介がトライ

内田啓介のトライ

ディフエンスの間のスペースを走り抜けた内田啓介が後半開始早々にトライ。帝京はまたもや立ち上がりに攻められてしまった。

CTB林泰基のトライ

林泰基

さらに林泰基がトライを獲ってバーンズのキックも決まり、パナソニックが35-3と大量リードへ。帝京は1対1の局面では負けておらずタックルで止めることができるものの、パナソニックの攻撃がフェーズを重ねるとデフェンスの穴を突かれて攻められる展開に。

出血で一時退場の稲垣啓太

稲垣啓太

1月16日の神戸製鋼戦で右目の上を40針縫う大怪我をしたものの、トップリーグ決勝の東芝戦、そして日本選手権も出場している稲垣。さすがにコンタクトプレーで傷が開いたのか一時退場で治療する場面も。

帝京が後半18分にトライ!

帝京のトライ

帝京初トライは怪我でリザーブスタートとなった坂手主将の代わりに出ている堀越康介。帝京が10-35と追い上げる。

後半にJP・ピーターセンが登場

JP・ピーターセン

パナソニック応援団から「JP!」との応援を受けてボールを前に運ぶJP・ピーターセン。躍動する走りは別格で、日本でのプレーはこれが最後となるのは残念な限り。

稲垣啓太のトライ

稲垣啓太

パナソニックは帝京ゴール前でバックスにボールを回し、ラインに入っていた稲垣がボールを受けてトライ。

モールで攻め込むパナソニック

パナソニック

今度はモールで攻めて最後はFL西原忠佑がトライ。スクラム、ラインアウト、モールとパナソニックがトップリーグ王者の力を見せつけた。

試合終了直前に帝京WTB竹山晃暉がトライ

竹山晃暉

最後に帝京が意地を見せた。パナソニックゴール前の帝京ボールスクラムからサイド攻撃で最後は1年生のWTB竹山晃暉が左隅にトライ。

第53回ラグビー選手権はパナソニックが帝京大学を49-15で破り2年ぶり5度目の日本一を達成

試合終了

最終スコアは49-15。パナソニックが7トライを挙げ勝利した。帝京は後半に2トライ獲るもののトップリーグ王者の壁は厚かった。大方の予想とおり、パナソニックが終始試合を有利に進めた展開となったが、帝京は激しいタックルやBK選手のランなど光るプレーも多く、大学王者の意地を見せ健闘し、見応えのある試合だった。セットプレーが安定していれば、パナソニックを慌てさせる展開になっていたかもしれない。

帝京大学の実力はトップリーグの下位チームレベル

パナソニックは今季のトップリーグの試合でリコーに59-28の31点差、Hondaには64-5の59点差で勝利しており、帝京との試合が34点差だったことと、昨年NECを破ったことから考慮すると、帝京の実力はトップリーグの下位のチームと同レベルということになる。もし帝京大学がトップリーグに参戦していれば、どのチームとも戦えるレベルにあり、それは20歳前後が揃う学生チームとしては凄いこと。

日本代表が南アを破ったように帝京大学も毎年打倒トップリーグを目標にハードワークをすれば日本一になることも夢ではないかもしれない。ちなみに最後に大学チームが日本選手権で優勝したのは1988年の早稲田大学となる。

パナソニック日本一達成おめでとう!

パナソニック日本一

先週のトップリーグ優勝に続いて2週連続で秩父宮の表彰台の上に立つパナソニックの選手。これにて2015-16の国内ラグビーは終了、2月はいよいよスーパーラグビー「サンウルブズ」が始動する。

サンウルブズやセブンズ、海外のスーパーラグビーチームでプレーする選手は休む間もなく練習が再開することになる。これからも怪我なく素晴らしい試合に期待したい。